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楽水庵ブログ 2014年8月 3ページ目

変な風潮、何故海外のアスリートはタトゥを入れたがる?

これだけ巷にスポーツトレーニング理論とかが溢れかえっているのに、
何故海外のトレーナーは選手達にタトゥを入れるのを止めさせられないのでしょう?

別に公序良俗の事に関して述べているのではありません。

身体をスムーズに動かす為には皮膚・筋膜の動きの滑らかさが欠かせません。
だから、火傷の跡や手術跡にしてもそれが原因で皮膚の滑走の妨げになり、
その為に筋肉や臓器の機能に支障をきたしている事が多々あるのです。

当院に来られている女性で、帝王切開の手術跡の為に月経不順になられている方もおられます。
ちょうど恥骨上の仙椎3番の皮膚支配領域に手術跡がある為に子宮や卵巣の動きに支障があるようです。

そういう事が判ってきているのに、選手達にタトゥを入れさせて平気なトレーナーを含めた指導陣。
よく理解できません。

顰蹙を買うかも知れませんが、自分は喫煙者です。
煙草は運動機能を低下させる可能性があるのは事実です。
しかし、ツール・ド・フランスを5勝したエディ・メルクス選手も現役時代を含めてヘビースモーカーでした。
勿論、メルクス選手は例外なのかも知れません。
メルクス選手が喫煙者でツール・ド・フランスを5勝したから他のアスリートも煙草を吸ったら良いとも思いません。

この逆が今流行のタトゥではないでしょうか?
たまたまタトゥを入れているアスリートの何割かがオリンピックやワールドカップで活躍しているからといって、
皆がタトゥを入れて良い、とはならないと思います。

ありがたい事に、この面に関しては良識のある日本のアスリート及び指導陣はこの点も踏まえて、
今後ともタトゥを避けていただきたい。

真似しなくても良い事はしない方が良いに決まっています。

捻挫の原因の一つに・・・

もしリンク切れしていたら申し訳ありませんが、この動画をご参考に

この動画では、シャラポワ選手を初めとするトップテニスプレーヤーのプレー中に起こった
アクシデントを纏めています。
それもほとんどが足関節の捻挫です。

見ていて気付いたのですが、ほとんど捻挫する時は足が「つま先着地」になっています。
本来は踵から踏み込んでいかなければいけないのですが、
不幸な事に受傷する時はつま先から着地していて、
「踵→足趾」という重心移動ができず、バランスを崩してというパターンです。

いろいろ原因が考えられます。
こういう選手達は過去にも何度も受傷していて、それが癖になっているからとか、
付いているトレーナーが未熟な為にしっかり対策ができていない、等です。

自分が思うに、それらも原因の一つではあろうが、
一番重要なのは、これらの選手達は少なからず腰にもダメージがあり、
その中でも仙椎1番の神経障害を起こしているのではないだろうかと感じます。

仙椎1番の神経障害があると、長趾伸筋という母趾以外の4本の趾を伸ばす(反らす)事ができません。
上肢でも下肢で屈曲、曲げるという動作は遠位、身体の遠い方から動きます。
この場合、つま先を上げるという動作は足関節の背屈と言いますが、屈曲になります。

ここで神経障害があると足趾が上がらない=足関節の屈曲ができない=つま先が上がらない、のです。

その神経障害も程度があり、かなりの神経障害だと普通に歩いていてもよく躓きます。
この選手達はそこまで酷い状態でないと思いますし、まあ筋力もあるのでそういう事はないと思います。
ただ、少しでも神経伝達に不具合があると極限状態に近づくにつれ症状が出てしまいます。

そういう意味では、捻挫予防の為にも腰のチェックというのは必要だと感じます。

シングルスクワットよりも四股踏みを!

これもスポーツ関係の勉強会に行った際に感じる事ですが、下肢のトレーニングでシングルスクワット、
つまり、片足でするスクワットが当たり前みたいにメニューになっているようです。

しかし、私はそれよりもしっかりした「四股」を踏めるようにした方が良いと感じています。

大体シングルスクワットを勧めているのは欧米のトレーナーですが、
日本人の場合おおかた欧米の選手より腸腰筋を含め股関節周りの機能が弱いのが現実です。
いや、昔の日本人は「しゃがむ」という動作をトイレや日常で頻繁に行っていたので
結構強かったのかも知れませんが、残念ながら現在の日本人はほとんどが弱い。

それは選手でも一緒です。
皆さんアスリートというと何か特別の印象を持たれるか知れませんが、
ある特定の能力が一般の人より優れているだけで、オールマイティの方はほとんどいません。
他のスポーツとかをすると普通か、ひょっとするとそれ以下というアスリートも多いのです。

話を戻すと、元々股関節周りの筋機能が弱い選手が無理にシングルスクワットをすると、
股関節が使えない為に膝関節の屈伸だけの動きになってしまいます(足関節も使いますが)。

私が見ていても、普通のスクワットでさえ股関節をしっかり使えていないのに、
ただメニューにあるからといってシングルスクワットで、深い屈曲をしてしまうと
膝周りに掛かるストレスはかなりのものになります。

そこまでリスクを冒してでもしなければならないエクササイズなのでしょうか?

それよりも、私は日本人なら「四股」を踏めと言いたい。
四股は本当に素晴らしいエクササイズで、これもちゃんとしたシングルスクワットです。
その意義を欧米のトレーナーは気付いていないだけだと思います。

私も毎日四股を踏んでいますが、あれは本当に毎日やっていても
ゴールがあるのかと思うぐらい奥が深いと思います。

自然に股関節が使えますし、足趾が強くないと踏ん張れません。
足の重心の使い方も自然に覚えます。

もちろん、無茶苦茶なやり方で回数だけこなさせそうとすれば、例え四股でも故障するでしょう。
まず、形を覚えてイメージを脳に擦り込む、それから回数を徐々に増やしていく、
そういう根気よくやっていく事が何事においても重要で、
その中でも日本伝統の素晴らしいエクササイズです。

何も欧米流のトレーニングばかりが優れている訳ではありません。
また、それが欧米の人達には向いていても、日本人に向いていないかも知れません。
大雑把に言ってしまえば、狩猟民族と農耕民族では力の出し方自体が違うと感じます。

日本伝統のものでも、向こうのエクササイズと遜色のないものはまだまだあると思います。
まだ私の場合は四股ぐらいしか見つけられていませんが、ひょっとしたらまだまだ埋もれているものはあるかも。


「赤ちゃんの動き」と言われても・・・

最近スポーツ関係の勉強会とかに行った際に、
よく「赤ちゃん時代の動きを想い出して」的な
理論を聞きますが、少し違和感を感じてしまいます。

というのは、他の動物と違い人間は直立二足歩行するので、
赤ちゃん時代の動きと成長してからでは、骨格も動き自体も全く変わってしまっているのです。

骨格に関しては、大人になってからの方が骨の数も減っています。
代表的なのは仙骨で、おおよそ高校生自分に仙椎が癒着して一つの骨になります。
頭蓋骨も生まれた時にはまだ前頭骨が判れていますが、
2歳ぐらいまでに結合するようです(リンク参照)

そうした骨格の違いというのも勿論ですが、
もう一つ大きな違いは「脳の働き」。

赤ちゃん時代はどちらかというと、小脳や脳幹の「本能的」なものを働かせます。
今更赤ちゃん時代の事を思い出せませんが、少なくとも脳で「こういうイメージ」
というのを感じて体を動かさせている訳ではないと思います。

しかし、成長してからは「大脳連合野」、つまりイメージングをして身体を動かさせます。
だから、どんな動きでもまずイメージする事が大事なのです。
カヌーをやっていた時に「ロール」(引っくり返った即起き上がる技術)を会得するのに
自分はかなり苦労しましたが、初めてカヌーに乗ったその日にできる人もいます。
インストラクターに聞いても、そういう人は観察眼が鋭いのです。
しっかりお手本を見て全体のイメージを擦り込ます事が得意なのでしょう。

人間というのは「忘却の動物」です。
赤ちゃん時代がどうだったかなど覚えている人などほとんどいないでしょう。
大体記憶に残っているのは、歩き始めてからの事。
歩き出す事によって、大脳の働きが加速されるからでしょう。

ですから、冒頭のような理論はあまり意味がないような気がします。







「矯正」という言葉に惑わされないで!

ある遠方の女性よりメールで相談を受けた。

そして、何回かメールのやり取りをしているうちに、
どうもこの方は「矯正」という言葉に弱いんではないかと感じ、
その旨お伝えした。

そうすると、やはりそういう傾向はありましたと返事があり、
実際腰を診てくれた治療家の方も、
「筋肉とかのバランスが戻れば自然に良くなっていきますよ」
と言ってくれてたそうだ。

その治療家の方の意見に同意します!

やたら、「骨盤矯正」とか巷にあふれていますが、
交通事故とかしない限りそんなに骨盤は歪みません。
ただ、筋肉等のバランスが悪いので「ずれて」いるだけです。

だから、バランスを良くすればいいだけなんです。

その為には、施術を受けるのも大事ですが、
日常の生活にも気を付けていただく必要があります。

時々、自分は「根本治癒」を目指しているのだが、
結局「対症療法」しかできていないのではないかと自問自答したりしますが、
ご本人が日常の知らず知らずの内に体を悪化させている「癖」を修正してもらうのが、
本当の「根本治癒」なんだと最近思うようになってきています。

同じような張りでも...

右踵の痛みを主訴として来られた40代の男性。

ご本人は足底筋膜炎と思っておられたようだが、
実際は足底方形筋の問題だった。
それは直ぐに解消。

後、右ふくらはぎの痛みもお持ちだったので、
チェックするとひらめ筋が弱かった。
これもキネシオテーピングで直ぐに良くなる。

最後に、「実は左ふくらはぎも少し痛いんです」と言われた。
痛みを感じているのは右と似たような個所なのだが、
左は後ろが問題なのではなく、前の長趾伸筋の問題。
それも、長趾伸筋自体ではなく仙椎1番の神経障害で、
その神経障害は坐骨リンパ節の詰りから来ていた。

徒手で坐骨リンパ節の詰りを軽減して、長趾伸筋のリリースをすると、
ふくらはぎの痛みはなくなっていた。

同じような張りでも原因はしっかりチェックしないと判りません。


結局、首だったのか・・・

今朝食事をしていると舌の左側が異様に辛さを感じた。
飲み物を飲んでいても少し左側が引っ掛かる感じもあった。

風邪か、ひょっとして甲状腺のトラブルかと怪しんだが、
どうもそうではなく、首、それも胸鎖乳突筋のせい。

そう言えば、少し前に左胸鎖乳突筋の張りで左目奥に痛みを感じたな~
今回は症状の出方が違った模様。
確かに横になっていて右に首を振ると張りがあった。

という訳で、胸鎖乳突筋テープを貼ると症状がかなりマシになっています。

調べてみると、胸鎖乳突筋による症状として、
片側顔面神経麻痺というのがあったが、
神経過敏というのもあるのではないだろうか?

ブライトボディ勉強会

先日毎月恒例のブライトボディさん主催の勉強会に参加。

今回はアメリカのバスケットチームでトレーナーをされている
佐藤さんの「反射スタビリティ」を中心とした講演。

やはりいろいろ学んでおられ、引き出しが多いという印象。
納得させられる内容も多かった。

brightbody_meeting20140804.jpg

メンテナンスの重要性

特に顎関節症になられた方には、
通院して楽になられた後にも月に一度のメンテナンスを奨めています。

特に顎の場合は、症状が出る可能性は誰にでもあります。
ただ、実際に出る・出ないというのは、
その方の顎のキャパシティの大小というも現実ありまして、
症状が出やすい方というのは、他の要因に直ぐに影響を受けやすい。

ですから、首や肩等の良くない要因を早い目に取り除いておく事が
良い状況を長続きさす為の得策だと思うからです。

だから、私は「顎関節症には完治というものがありません」と言います。
何かのきっかけで再発する可能性が高いからです。

その点は坐骨神経痛などの痺れが出る症状と似ています。
ああいう痺れなども骨格等の生まれつきのものが関わってくるからです。

ただ、どちらも普段の心掛けでかなり変わってきます。




「神経性疼痛」?

最近、CMで誰といいませんが有名タレントを使って、
痺れとかの症状を「神経性疼痛」と名付け、
「いいお薬があります」と謳っているものを見掛けます。

しかし、本当にそれで良くなるのでしょうか?

痺れが出るという事は何かしらの原因があります。
その原因が内因的なものも勿論あるでしょう。
その場合ですと、私としては非常に困難です。

ただ、ほとんどの痺れは筋肉等の不具合、
それと持って生まれた骨格による神経や筋肉の走行に由来するもので、
根絶するのは難しいですが、痺れを出にくくするのは十分可能です。

それと、その神経性疼痛の薬というのは、その痺れの出る原因を根絶してくれるものでしょうか?
単に、痺れを感じ刺さない、つまり感覚を麻痺させるだけではないでしょうか?

痺れの出ている方に多い悩みは、
「この痺れは何故出るのか?」、そして、
「ずっとこの痺れは続くのか?」という点に尽きると思います。

例えば、正座した後に脛に痺れが出ても、それで悩む人はいない筈です。
あれは、脛が圧迫されたからという原因がハッキリしているからです。

同じように、腕や足に痺れが出ても、「ああ、こうなったからだ」と判っていれば、
そんなに不安に駆られる事はありません。

勿論、夜もオチオチ寝れないような激しい痺れが出たらそんなに悠長な事は言ってられませんが・・・

ですが、何でもかんでも直ぐに薬、というのは感心できません。
ちゃんと原因を探ってくれる処を探すべきだと感じます。

単に痺れを抑えるだけでなく、その痺れを起こしている大元の状態を改善する、
この事が一番大事なのではないでしょうか。

所詮、薬というのは毒です。
身体に良いと言われる漢方薬でも肝機能に負担を掛けています。

私もこの冬に献血に行った際に、いつもより肝臓の状態を表すGPT値が普段より高いので、
何故かなと思い返したらその時分に少し喉の調子が悪かったので葛根湯をよく飲んでいました。
そういう事でも身体に負担を掛けています。

また、鎮痛剤の類は目前の痛みを抑えてくれるが、
長期服用すると新たな痛みの回路を作ってしまうと言われています。

全く服用するなとは言いません。
ただ、完全に害のない薬などないという事を理解して、
薬を使うなら上手に利用するという事を考えていただければと思います。


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