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楽水庵ブログ 過去のコラム 5ページ目

筋膜のズレ

以前に前腕の筋膜のズレを取り上げましたが、最近では更に上腕・肩・肩甲骨などの筋膜のズレも
先に注目するようにしています。
 
私自身でも、この年末年始に多くの方に来ていただき、
結構忙しかったせいもあってか、左の首にかなりの張りがありました。
テーピングもしたのですが、それだけではもう一つ効き目がありませんでした。
それで、試しに左上腕部の筋膜のズレを調べてみると、かなり右よりもズレていたので、。
頚部や頭・顎関節の療法で手技をよく使ったからだと思います。
どうしても人間の腕の使い方は内旋(内に捻る)がほとんどになってしまいます。
腕でも脚でも軽く押さえながら内や外に動かしてあげて、
楽になるようならそれは貴方の体がそちらに戻りたがっているのです。
また、左右で動き方に差があれば、大きく動く側がよりズレています。
腕でも脚でも、ズレの多い側にいろんなトラブルが多いはずです。
 
テーピングでこのズレを矯正する事もできますが、仕事の合間にでもご自分で腕や脚を軽く押さえながら、
気持ちの良い方へ動かしてあげるだけでもかなり楽になりますので、一度お試し下さい。
因みに大抵の方は、腕は外へ、大腿部は内に動かしてあげると効果があります。
極端な内股の方はまだ試していないので判りません。

頚椎と顎関節の講習

12月22日・23日と東京中野のキネシオ協会本部で、頚椎と顎関節の講習を受けてまいりました。
講師は、今年3月にシアトル郊外のバスティア大学での研修でお世話になった高倉先生。
顎関節は7月に続き 2回目です。
前回は高倉先生が何もかも教えすぎようとして、纏まりに欠けていたので、
今回はより実践的に治療をする事に主眼を置いたものになっていました。
 
前回も受けていたのと、講習内容がコンパクトになったお陰で、
前回の講習後には口腔内からの直接手技をする気は起こりませんでしたが、
今回の講習ではそれに自信が付いたので、帰ってから早速実践しております。
やはり、内側の筋肉や靭帯は直接手技の方が効果が出ます。
 
また、頚椎の手技でも鎖骨下リンパやお腹のリンパの流し方を新たに習いました。
これも即戦力になってくれています。
また自分のレパートリーが増えて、より一人でも多くの方のお悩みを解消して上げられれば、と思っております。

出尻(でっちり)とストレートネックの関係

お見えになる方で、よく「病院でストレートネックと言われた」と仰る方がおられます。
ストレートネックとは文字通り、本来前弯であるべき頚椎のアーチがなくなっている状態です。
そのままだと首や頭部にも悪影響を及ぼす可能性が非常に高いので、修正した方が良いでしょう。
 
では、どうするかと言えば、大抵その状態の方は骨盤が後ろに引いている、
所謂「出尻(でっちり)」の姿勢なのです。
脊椎のアーチは仙骨・腰椎が前弯→胸椎が後弯→頚椎が前弯、が正常です。
「木を見て森を見ず」、ストレートネックの方はまず下のアーチから崩れている事が多いのです。
そういう方は仙骨・腰椎が後弯、胸椎が逆に前弯しそうなのを頑張って戻そうとしますが、
結果的に頚椎のアーチは真っ直ぐにしかなりません。
自然のアーチが全て崩れてしまっているのですから、
ショックアブソーバーの役割をしてくれる椎間板の位置もずれ、ヘルニアの恐れも出てきます。
こういう方の傾向としては、真正面を見る時に顎が上がっています。
逆に正常なアーチの人は顎を少し引かなければ正面を見据えられません。
 
対策としては、まず出尻を治す事です。腰にも良くありません。
体の縦の軸から大きなお尻がかなりはみ出している訳ですから。
また、そういう状態ではお尻の筋肉(大臀筋)やハムストリングが緩みっぱなしで弱ってしまいます。
女性に多い(男性でも)垂れ尻の原因です。お尻の位置はスタイルの最重要点ですからね。
お尻の筋肉を軽く締め骨盤を前に少し突き出します。
それで仙骨・腰椎のアーチは前弯に変化します。
ただ、この姿勢をとると腰が痛くなる方もおられます。
それは腹筋、特に腹直筋の下部の機能が低下しているからです。
実は下腹部も緩みっぱなしなのです。
そういう場合は、椅子に座って少し両足を挙げる腹直筋下部のエクササイズなどをしもって、
痛みの出ない範囲で骨盤を前に出すようにします。
少し時間は掛かりますが、そうするしかないのです。
 
こういう地味な努力で出尻を解消していけば、ストレートネックも解決します。
頚椎だけアーチを戻そうとしても無理なのです。
キネシオテーピングも並行して使っていけば、解決の時間は早まります。

ウォーキングの功罪

手軽に出来る運動として早朝からウォーキングに励まれている多くの方達がおられます。
全身運動になりますので、心肺機能・筋肉の鍛錬にお勧めですが、
一つ注意していただきたい事があります。
それは、やり方一つで体のバランスを崩す事になるかも知れない、という点です。
 
思っている以上に歩くという行為は、複雑な動きをします。
いろんな筋肉の動きを調和させる事によって、ウォーキングは成り立っています。
もし、どこかの機能が低下したままウォーキングすると、ドンドンとバランスは崩れ、
やがて痛みや障害になっていく可能性もあるのです。
筋肉は筋膜によって動き、そして必ず拮抗筋と呼ばれる相反する動きをする筋肉とセットで動きます。
このバランスが崩れている時は歩き方が変になったり、
ちょっと歩いただけで疲れる・どこか痛くなったりします。
それにも増して重心の悪いまま歩いていると、大抵下腿部の故障を起こします。
ジョギングに比べるとまだ掛かる荷重は少ないですが、
それでも結構な負担を下腿部は強いられています。
そして、背骨のアーチや肩甲骨の動き、挙げだしたらキリがありません。
 
本当にウォーキングは高度な動きをしているのです。勉強で言えば応用問題なのです。
基本問題をせず、いきなり応用問題をする人はいないでしょう。
ジョギングする訳でもないし、と甘く見ていると結構後でツケを払う羽目になります。
まず、基礎問題、つまりいろんな部位の機能が正常に動くかどうかチェックしてから歩きましょう。

女性に多い二の腕のたるみ対策

またまた、腕、今回は二の腕(上腕部)についてです。
女性で二の腕が「振袖」、あるいは「すだれ」状態、つまり腕の付け根が弛んでお悩みの方は多いでしょう。
 
これは肥満が原因なのでしょうか?
もちろん失礼ながらそういう方もおられるかも知れませんが、
ほとんどの方が二の腕の上腕三頭筋という肘関節を伸ばす筋肉の
機能が低下している為にこういう状態になっているのです。
あれが全部脂肪かというと、そうでもないのです。これから説明させていただきます。
 
筋肉というのは収縮する時に筋繊維が体に遠い方から近い方へ寄ってきて、
反対に皮膚は近い方から遠い方へ寄ります。
筋機能が低下すると、筋肉が近い方へ寄ってくれないし、皮膚も遠い方へ寄ってくれない、
だから余計に弛んで見えてしまうのです。
普段でもこういう状態ですから、肘を曲げると余計に悲惨です。
肘を曲げる際は上腕二頭筋が収縮し上腕三頭筋は緩みます。
筋繊維が肘の方に寄って皮膚が腕の付け根に寄ります。
だからより一層弛んで見えてしまうのです。
 
これは毎日肘をしっかり伸ばすエクササイズをする事によって改善する事が可能です。
その際には、肘をしっかり伸ばした時に腕の後ろ側の付け根をしっかり締める感覚を養ってください。
 
元々女性の方が体脂肪率が高いのもありますが、
普段しっかり肘を伸ばすという動作があまりないとう事もあるのです。
だから、スポーツ選手やバレエダンサーにこういう腕の人をあまり見かけないのは当然かも知れません。
社交ダンスの人はどうでしょう?案外、抱き合う動作、つまり肘を曲げている事が多いので悩んでいる人は多いかも?(笑)

前腕のバランスと筋膜の動き

また、今回も腕、それも前腕を取り上げます。

最近うちの院にお越しになる方で腕を内旋した時に肘が伸びない方が多く見受けられます。
私も最初未熟なもので上腕部の問題だと思っておりましたが、
最近になってこれはほとんどが前腕部の問題だと判ってきました。

そういう方々の多くが前腕部の屈筋と伸筋のバランスが非常に悪いのです。
つまり、屈筋側、指を曲げる・掌屈(掌側に手首を曲げる)筋機能が強く、
反対に伸筋側、指を伸ばしたり背屈する筋機能が弱いのです。
我々の日常生活ではどうしても屈筋側を使う作業が多いのですが、
伸筋側をお座なりにしていると酷いしっぺ返しを食らいます。
痛みはかならず機能の弱い方に来るとは限りません。
筋機能が弱いという事は、
つまりブレーキを踏んだ状態になってしまう事で、
強い方の筋肉はブレーキを踏んだ状態でアクセルを踏むみたいな感じになってしまいます。
結果、オーバーヒートを起こしてしまうのです。

また、こういった筋機能のアンバランスが生じている場合には、
ほとんどの場合その辺りの筋膜が強い方の筋肉の方へずれていまい、
悪循環がより進行し、最終的には筋肉や関節を傷めたりします。

また、腕の筋膜がずれると首の痛みも発症する可能性が高いのです。
前回のコラムではボディスーツの襟元を引っ張られると袖も引っ張られると書きましたが、
今度のは袖を引っ張られるので襟元も引っ張られるというパターンです。

この悪循環を断つのは理屈は明瞭で、伸筋側のエクササイズをして機能を回復してやり、
筋膜の状態を元に戻してやればいいのです。
簡単なエクササイズとしては、指を伸ばしたり手首を背屈させる、
これを毎日しているだけでも効果はかなりあります。
お風呂に入っている際に指でお湯を弾くというのも良いと思います。

本当にこういう方は結構おられるのます。スポーツ選手でも多いです。
もし、これを読んで思い当たる節があるなら今日から早速実行してください

腕や手の痛みと首の関係

腕の付け根辺りや手首周辺とかの痛みは、その周りの筋肉を傷めている事もありますが、
案外首の筋肉の状態が悪い場合が多いです。
よく解剖図で皮膚をそいだ状態のがありますね。
あれの表面を覆っているのが筋膜(浅筋膜)です。

筋膜は一種のボディスーツみたいなもので、
あるところが引っ張られると別のところにも影響してきます。
セーターで首の所を引っ張ると袖も首の方へ引っ張られますよね、
その状態が皆さんの腕や手に出ていると思ってください。

もちろん、検査しないとはっきりとした事は言えませんが、
もし、ハッキリした原因が思い浮かばない腕や手の痛みがあり、
またそれが長引いている時には次のエクササイズをしてみて下さい。
楽になるかも知れません。

主に腕や手の痛みに関わっている首の筋肉は斜角筋とで左右各々3つあります。
その3つの筋肉のエクササイズです。左を例に上げます。
まず、顎を右上に上げながら首をゆっくり曲げてください。
その際に首の左前の筋肉を意識するように。ゆっくり10回、10回目に10秒静止。
次に首を肩の方へ真横に倒してください。肩があまり上がらないように。
これも首の左側の今度は横を意識して先程と同じ回数・秒数で。
最後に右斜め下に顎を向けて首を曲げてください。今度は首の左後ろを意識して。
これも同じ回数・同じ秒数でやってみてください。

左が終わったら、右も同じ要領でやってみてください。
腕や手が痛くない方でもこれをする事によって、偏頭痛とかが緩和される事もあります。
どこでも気軽にできるので、是非試してみてください。

スポーツ選手にとってのコンディショニングとは?

最近ある競技をされている方から一度コンディショニングしてほしいと依頼がありました。
ただ、今はそんなに疲れていないのでトコトン追い込んでクタクタになったら
お願いしに行くという事なので、気分を害されるのを承知で意見させていただきました。
この方と私のコンディショニングに対する認識が違うからです。

この方は疲労回復=コンディショニングと捉えられているようです。
確かにそれも含まれますが、、トコトン追い込んでも故障しにくい体を目指す為、
また、そう疲れていない時にその人の特徴を把握し、バランスを整え、
どれだけその方が潜在能力を持っていらっしゃるのかを確認していただく、
そして、、その上のステップにいってもらう為に何をこれからしていくべきなのかを
考えアドバイスしてもらうのが本来のコンディショニングだと思います。
疲労蓄積でお越しになられても、疲労を取るのが精一杯になる恐れがあるのです。

という訳で、できれば普通の状態で来ていただくのがベストだと考えます。

簡単な足趾と足底筋膜のエクササイズ

前回、足底筋膜のお話をさせていただきました。
今回は足底筋膜及び、これもよく話に出てくる足趾のエクササイズを紹介します。
私も毎日やっています。
また、これをするだけでもリフレクソロジーという施術があるように、
足裏には様々な器官の反射区があるのでいろんな面での改善が期待できます。

エクササイズといっても、要は足の指で「パー」と「グー」をするだけです。
「なーんだ」と思われるかも知れませんが、果たしてちゃんとできますか?
片足ずつ集中してする事をお勧めします。
椅子に座ってする場合はする方の足を台の上に挙げてすると効果的です。
まず、足の指を拡げましょう。 この際意識するのは主に土踏まずの内側、
ここに母趾外転筋という親指を拡げる筋肉が走っています。 
最初は上手くいかないかも知れませんが、土踏まずの内側を意識でき
なおかつそこを硬くできるようになればOKです。
余裕ができれば今度は小指も拡げられるように意識してやってください。

次に全部の指を丸め足裏全体で「グー」を作る感じで丸めてください。
この時に特に土踏まずが触って硬くなっているように頑張ってください。

何気ない事ですが、これができるかどうかで
皆さんの生活の質はかなり変わります。

足底筋膜

どのスポーツにも言えますが、足裏を効果的に使えるかどうかが非常に大事になってきます。

足裏には足底筋膜というものがあり、それを瞬間的に硬くする事ができると
床や地面からの反発力を利用でき、脚力等を有効に使えるのです。
逆にマラソンランナーなどが足裏に痛みを発症し、練習もできなくなるような症状も
この足底筋膜に炎症を起こしているケースが多いのです。

足底筋膜のエクササイズ自体はそう難しくありません。
足の指でグーを作る感じで足の裏自体を丸めるように、手に例えるとげん骨を作るイメージで
足裏に力を入れる、といった事を日に1回でもすれば段々と力は付いてきます。
一番簡単なエクササイズは、足の指でしっかり床を掴んで踵を上げる、これだけで大丈夫です。
歩く際も踵で着地して爪先でリリースするまでの間にギュッと足裏に力を入れるようにすれば
颯爽と歩けるようになります。

ただ、外反母趾や指上げ足、開帳足などで普段から足の指が上手く動かせない、
重心のバランスが悪い方はまずそれを矯正してからこのエクササイズをされると良いでしょう。

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