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楽水庵ブログ 2014年12月 2ページ目

どこまでが対処療法で、どこからが根本治癒?

最近、足関節靭帯のアプローチを頻繁に行うようになってタイトルのような疑問を持つようになった。

ただ、これは永遠のテーマなのかも知れない。

足関節に関して言えば、靭帯の弛みがある為に足元が定まらない→下腿部の筋機能が正常に働かない→ひらめ筋の場合は腰にも影響、
また、足元が定まらない→膝関節の靭帯に影響→結果股関節にも影響→大腰筋に機能低下が出れば肩関節にも、等さまざまなケースが考えられる。

逆にスマホ等のやり過ぎで頚部の機能低下なら→胸部・肩甲骨周辺に影響→広背筋なら腰にまで痛みが出たりする、事も考えられる。

そうやって、根本原因を探っていく事は非常に重要になっていくのだが、あまりにも状態の悪い方の場合は最初対処療法でと割り切らなければいけない事も多々出てくる。

幾層にも渡った悪要因を一枚一枚と剥ぎ取っていかなければ本当の原因が掴めない方もおられる。

もちろん、こちらの技術・知識・観察力が更に上がれば、そういった方でも初回から根本原因を見つけて対処できるかと思われるが、その時の症状(例えばギックリ腰のような急性のケース)等は、とりあえず急性期は対処療法にプラスアルファ程度の事をしておいて、次回以降に根本治癒に取り掛かるのが良いのかも。
初回に根本原因を見極めておけたらベストな施術ができるのは言うまでもない。

道はまだまだ険しい(^_^;)

ミレーの「落ち葉拾い」

画家のミレーの有名な作品に「落ち葉拾い」があります。
3人の婦人が農地で落ち葉を拾っている光景を描いたものです。

皆さんはこの絵を見た時に何となく違和感を感じませんか?
これは日本人が見た時には違和感があって、逆に西洋の人が見ても違和感を感じないかも知れません。

私も昔から少し「何だろう:?」と思っていたのですが、この仕事をしてから段々と判りました。
それはズバリ、「腰の屈め方」です!

あの絵に描かれている女性達はあまり膝を落とさずに足元の落ち葉を拾っていますね。
我々だとああいった形で拾いますか?
ほとんどの方が膝を落とし、しゃがみながら拾いますね。


これが西洋と東洋、ではなく狩猟民族と農耕民族の違いなのではないでしょうか?

今回は股関節周りだけの話にします。

つまり、大腰筋や腸骨筋、梨状筋などの股関節を構成しているインナーマッスルが狩猟民族の場合はインナーというよりもアウター的な使い方をしていると思われるのです。
彼らの祖先は獲物を獲らなければ餓死してしまう運命にあったのです。

という事は、ほんの至近距離で獲物に追いつくスピードが求められたのでしょう。
その為に股関節のインナーマッスルにアウター的な機能を淘汰の過程で変化させていったのだと勝手に解釈しています。

逆にアウターですから、持久的な動きには弱い。
だから、今でもそうですが西洋人の方々は「中腰」の姿勢を保つ事が結構難しいのです。


さて、我々日本人に代表される農耕民族の末裔。
西洋人とは反対に「田植え」に代表される中腰の姿勢、これを長時間する事が得意です(最近では様変わりしてますが・・・)
また、歌舞伎のような伝統芸能でも中腰の姿勢が非常に多い。
だから、歌舞伎役者の方は高齢でも足腰のしっかりしておられるし艶福家でもあられます(まあ、余計なお世話ですね)。

また面白い事にコサックダンスやアイリッシュダンスなどスクワットスタイルで踊るものがありますが、あれは日頃の自分達の弱点を補う為に開発された、いわば「ラジオ体操」的なものかも知れません。

ですから、そういう身体を構成しているものの機能が異なるのに、向こうのやっているトレーニングを盲信してしまうのは如何なものか、と最近思うようになってきています。
大腰筋や梨状筋の筋肥大を我々は追い求めるべきではないと感じます。
特に、梨状筋の筋肥大を図ると、待っているのは「坐骨神経痛」です。

やはり民族特性に基づいたトレーニング方法を確立していく必要があるのでしょう。

ただ、最近の日本人も見た目だけ西洋風になってしまっているので、元からあった「中腰が得意」というのも薄れてきているのも事実です。
結局何とかしないと、どっちつかずで何も取り柄のない、だから世界とスポーツの世界で戦う事のできなくなるかも知れません。




肩甲骨内側をほぐすには・・・

肩甲骨の内半分が張っているという事は、下僧帽筋の問題に思われがち。

だが、下僧帽筋よりもっと奥、肩甲骨の奥にある肩甲下筋の状態が良くない事が多い。

この場合下僧帽筋だけほぐそうとしても効果はあまりない。

肩甲下筋を先ずほぐす必要が出て来る。


ただ、肩甲下筋をほぐすのは結構難しい。
肩甲下筋をほぐすには肋骨と肩甲骨の間からアプローチする必要があるからです。

加えて、肩甲下筋の近くには腋下リンパ節があり、ここの詰まっている人は必ずと言っていいほど肩甲下筋が張っている。

そして腋下リンパをそのまま無理にほぐそうとしても無理がある。
ここが張っていると触られるとかなり痛いのです。

ですから、自分は足の反射区を利用して腋下リンパ節を弛め、その後肩甲下筋をほぐし最期に下僧帽筋に掛かっている。

今のところ、この手順がベストだと思っている。


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捻挫をなめたらダメ!

最近、足関節の靭帯をじっくりチェックするように心掛けている。

自分もそうだが、ほとんどの方が捻挫の一度や二度された経験がある。
もう既に記憶から消えている方も多い。

ただ、脳の記憶から消えていても肉体の記憶はいつまでも残っていて、捻挫をやった部分は靭帯が弛んだままになっている。

そのせいで足元の安定が損なわれ、引いては膝や腰にダメージを与えている可能性が非常に高い。

下の画像は足関節の靭帯の模型。

これを参考に靭帯の弛んでいる処を探し、キネシオテープで弛みをブロックさせると皆さん足元がしっかりし、試しに当院の階段を上り下りしてもらうと、「全然違う!」と言って下さる。

以前は捻挫の対応として、サポーターをしたりアスレチックテープでガチガチに固める方法しか無かったのも事実。
しかし、キネシオテープの縦には伸びるが横には伸びない特性を利用すると、本当に1カ所につき2,5㎝のテープをちょこっと貼るだけで、驚くほど足関節がシャッキとする。

この方法は、先日会津若松でセミナーを行った際にアシスタントで来てくれた山形の指導員仲間の女性(彼女は理学療法士で病院勤務や理学療法士の学校で教官をやっていて、学校で教わった方法以外に足関節の靭帯へのテーピングを習っていたのだが)が「この方法は本当に凄い!」と評してくれた。

また、サポートやアスレチックテープを使う方法は、確かに靭帯を保護してくれるのだが周辺の筋肉も固めてしまうので、運動をしている際にその筋肉の機能を損ねてしまう。
要するに、筋肉が働くのをさぼってしまう。

これでは、サポーターやアスレチックテープなしでは不安で思いっ切りプレーできない。

その点、キネシオテープを使う方法は靭帯だけを安定させる。
靭帯が安定すれば周りの筋機能が正常に働くようになるので、それでトレーニングを積んでいけば膝や腰も楽になっていく。

翻ってみれば、「片足立ちテスト」も足関節の安定していなければ測定の意図する事から逸脱しているような気がするのだが・・・

極端な事を言えば、これを知っているかいないかが、その人のアスリートの寿命を決定するのかも知れない。

特にいつも足元をガチガチに固めているサッカーやラグビーの選手達にはぜひ一度試していただきたい。

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左ひらめ筋の機能低下の原因、靭帯の弛み

ボートをやっておられる50代男性。

以前から左ひらめ筋の機能が低下しているのは承知していたが、今日来られた際に詳しく聞くと踵でしっかり踏み込めないとの事だった。

そしてひらめ筋を詳しくチェックしてみるとアキレス腱の直ぐ上 内側の筋肉が未発達。
これは何か原因があると足関節の靭帯を調べると何カ所か弛みが生じている。
本人もかなり以前の事ではっきり思い出せないようだが、捻挫は何度かしている模様。

そこで、本来ならもう少し太いのを貼った方が良いのだが、切れ端でも何とかなるというのを証明する為かなり細いテープを貼ってみた。

すると、その細いテープでもしっかり効果は出ていて、ひらめ筋テープと相まって左踵にしっかり体重を乗せても大丈夫なようになった。

ボートを漕いでいる時でも左踵に体重を載せられなかったそうなので、これでしっかり踏み込めるようになるでしょう。

また、足関節が安定している上でエクササイズをしてもらうと、ひらめ筋も発達すると思います。


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側頭骨下顎骨靭帯テープ発見か?!

先日20代の女性が顎がカクカクすると来られた。

他にも様々なトラブルを抱えておられるのだが、顎に関しては左側頭骨下顎骨靭帯の弛みが非常に大きかった。

とりあえず顎関節上にπテープを貼って症状を緩和。

ただ、側頭骨下顎骨靭帯上ではないので大きな効果は期待できない。


そうすると、たまたま翌日に側頭骨下顎骨靭帯が弛んでいる方がお二人来られたので、靭帯テープを試してみる。

案外簡単に見つかりました。
貼るとかなり口も開くしカクカクもしなくなる。

ただ、生え際なのでしっかりテープが乗らないのが玉に傷。
マメに貼り替えてもらう必要があるだろう。

先の女性も次回来られた際には貼らしていただこう。

バネ指が首へのテーピングだけで解消!

会津若松市でのセミナー中に、右手人差し指のバネ指でお困りの女性が。

何でも左手にもバネ指の症状が出て、そちらの方は手術したのだが右手に関してはもう手術をしたくないとの事。

リハビリとかを考えるとさもありなんと思います。

バネ指の原因で案外見過ごされがちなのが首の筋肉。
問題を起こしている首の筋肉を弛めるだけで症状が楽になる事が多い。

この方も後斜角筋と中斜角筋の張りがかなり強かった。
この2つの筋肉に対してπテープを貼付。

最近首へのアプローチはπテープで行っていて、またセミナーでもそう勧めている。
1、首にノーテンションでテーピングするのは結構難しい。
2、テーピングしているのを見た人がピップエレキバンとかと勘違いしてくれるので大騒ぎにならない。
  首の筋肉でラインでテーピングすると結構騒がれたりするので、勘違いして下さると助かります(笑)
  まだまだキネシオテーピングは市民権を得てないものですから・・・

そして、この女性のバネ指の症状は・・・消えました。
「手術しないで済む」と非常に喜んでいただけた。

肘にガングリオンもあったそうなのだが、それは知人に貼り方を教えて貼ってもらった。
そちらの方の報告はまだ受けていないが、快方に向かっていただければと願っています。

五十肩の女性、2つの靭帯にアプローチ

五十肩で通院されている50代女性の3回目。

関節可動域もかなり回復し痛みもだいぶ楽になられているが、まだまだ改善の余地があると見受けられる。

前回は、靭帯に関しては肩甲上腕関節の靭帯の動きを正常化させるテーピングのみであったが、今回リリースをしていて烏口靭帯も弛んでいるのが判明したのでそこにも靭帯テープを貼付した。

益々痛みが取れて動きやすくなったと喜んでおられた。

肩関節は人間の関節の中でもかなり不安定な関節。
だからこそ可動域も広いのだが、ちょっとした事でもトラブルに見舞われる。

自分のチェック方法としても、特に肩関節に関しては靭帯へのアプローチを優先させているようにしている。

自分の右肩の痛み、斜角筋で解消

6日会津若松のセミナー開始前に右肩前部が急に痛くなった。
最初は靭帯の弛みかと思って、肩甲上腕靭帯テープを貼ってみたがもう一つ。
毎度の事ながら自分の痛みは客観的に診れないので判断が難しい(-_-;)

セミナー終了後ホテルでもう一度チェック。

どうも後斜角筋と中斜角筋が良くない。
そこでπテープを貼ってみた。

直ぐには痛みが全て引いたわけではなかったので、帰りの飛行機の中で「ひょっとしたら棘上筋もか?」と思い、家に帰ったら貼ろうと思っていたが、既にその時には痛みが全くなかった(^_^;)

結局、アプローチが正しかったのだろう。
少し効き目が出るのは遅かったが。

踵の痛い女性、坐骨神経痛の兆候も

左踵の痛い女性、なかなか苦戦しております(^_^;)

ヒラメ筋や後脛骨筋の機能も低下しているが、問題は踵の痛い部分の皮膚・筋膜をどう誘導すれば痛みが減少するのかをやってみるのだが、なかなかこれが非常に難しい(T_T)

いろいろ試行錯誤を重ね、視点を変えやってみる。

もう一度原点に戻り、この痛みは母趾外転筋の関連痛ではないかと推測し、母趾関連の筋機能をすべてチェックすると全て陽性。
そして左腰椎5番の横突起を探ると神経障害が認められた。
一種の坐骨神経痛とも言えなくもない。
違う箇所に痛み等が出た可能性もある。

そこで、そこにジェルフィッシュテープを貼ると母趾関連の筋機能がすべて正常化され、踵の痛みもかなり減少し、階段を下りられる際もだいぶマシになられた。

やはり何か原因があるのだが、まだまだ未熟者でスッと見つけれない事もある。
もっと観察眼と知識を深めなければ。

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