楽水庵ブログ

「足趾が床・地面を押さえられない」

こんにちは、京都府長岡京市の楽水庵 水谷です。

最近お越しになられる方に多く見られる兆候が、「立っていても足元がフラフラする」というものです。
踵の方にばかり重心があり、足趾(足の指)を動かしている感覚がないそうです。

そういった方のひらめ筋をテストしてみると、左右共に筋低下が見られます。

ひらめ筋は「抗重力筋」と呼ばれる筋肉の一つで、立っている時に常に使われています。
その機能は「足趾を踏ん張る」、つまり足の指で床・地面を支える事です。
よく解剖学の本で、『身体が前に倒れるのを防ぐ』と書いてありますが、もう少し親切に書くと「身体が前に倒れそうになったら足趾で踏ん張って防ぐ」という事です。
『身体が前に倒れるのを防ぐ』だけではもう一つ意味がピンとこないものです。


また、仰向けになって足元の方向に私が指を引っ張りそれに抵抗してもらうテストをすると、母趾(親指)や小趾(小指)は抵抗できるのに対して3趾(中指)は全くというほど抵抗できません。
その際に皆さんが口を揃えて言われるのは、「どこに力を入れていいか判らない」。


この現象はどこから来ているのかというと、仙骨内にある仙椎1-2番間の椎間板が詰まっているせいです。
ここの詰りが仙椎2番から出ているS2神経の流れを圧迫します。
先ほどの3趾に力が入らないのは、正にS2神経の圧迫が原因なのです。
S2神経は下肢の背面(後ろ側)を通っています。
ですので、こういった現象の方の太腿の前と後ろを触ってみると、後ろの皮膚感覚が前のと比べてかなり薄いのです。

こういった現象はS1-2番間にジェルフィッシュテープというテーピングを貼って隙間を作ってあげると神経の通りがよくなって解消されます。
貼った直後に立ってもらうと、皆さんしっかり立てておられます。
そして、「足の指を感じられる」という感想を述べられます。

そしてもう一つ、このテーピングでS1-2間の詰りを解消すると後頭部の張りも緩和される方が多いのも特徴です。
神経の繋がりかどうかまでは私は判りませんが、ひらめ筋の機能低下などにより足首の動きが良くなる事が理由ではないかと推測されます。
足首と首や頭部は密接に関連しているものですから。

最後に、では何故こういった症状になるかというと、寒さで首をすくめることが多いからではと考えています。
首をすくめると、脊柱のアーチが乱れがちになり仙骨付近にストレスが掛かる可能性が十分考えられます。
スマホを長時間やっているのも原因の一つになるかも知れませんね。

楽水庵





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