楽水庵ブログ

ちょうどテニス等のサービスの動きをした際の前腕の痛み

こんにちは、楽水庵です。

テニスの錦織選手が「右尺側手根伸筋腱部分断裂」という事で今年一杯試合に出られないようです。
しかし、本当にこの症状はそこだけの問題なのでしょうか?

錦織選手は以前から右手首の痛みを訴えていました。
おそらくこの尺側手根伸筋辺りの痛みだったのでしょう。
そして、トレーナーや医師はこの周辺の検査及びチェックしかしていないと思われます。

しかし、本当の原因は違うと思います。
私のブログで結構首、特に斜角筋の機能低下が別の部位の様々な痛みを引き起こしているのを書いておりますが、今回の故障もおそらくそうでしょう。

前腕尺側、つまり小指側の不調に物凄く関わりのあるのが「後斜角筋」と呼ばれる頚部の後方にある筋肉です。
後斜角筋の機能が低下すると、その傍を走っているC8神経が圧迫されます。
C8神経は小指の運動を司っているので、ここをやられると小指に力が入りにくい状態になります。
筋膜的な繋がりもあるのかも知れませんが、私は神経の走行の問題と思っています。
小指に力が入らない事、それに加えて尺側の不調も起こる事があります。

昨日来られた60代男性のケースです。
前回もそうだったのですが、施術の最後の方で大胸筋のストレングエクササイズをやっている時に前腕尺側に痛みが出ました。
前腕自体のストレングエクササイズ及びリリースの時には痛みは出ません。
しかし、大胸筋、その中でも胸肋部という外側部のそれをすると痛みが出ます。

前回の時は上腕三頭筋や円回内筋でなんとかその場の痛みを解消したのですが、これは今から思えば本当に対処療法だったのでしょうね。

胸肋部のストレングエクササイズは肘を伸ばした状態で腕を身体の前に肩と水平の高さにして、その上で腕を内旋して下ろした時に抵抗を加えながらやります。
テニスをやっている方ならお判りでしょうが、ちょうどサービスをした時の腕の動きと一緒です。
そして、何度も書きますが前腕部自体の問題はほとんどありません。
しかし、この動作をすると痛みが出ます。

何でだろう?と思いながら何度か動作をやってもらいました。
その中で少し頭を下げた状態でこの動きをやった時だけ痛みが出るのが判りました。
頭を下げないでやった時は痛みが出ません。

という事は、後斜角筋の可能性が出てきました。
後斜角筋は頭を前に下げた状態で働くからです。
最初のチェックの時は問題がなかったのでテーピングはしませんでしたが、確かに後斜角筋の筋膜を誘導して先ほどの動き、頭を下げた状態で大胸筋胸肋部のストレングスエクササイズを。
そうすると痛みは消えたのでテーピングして再度チェック、問題なし。


まあ、結果良ければなんですが、尺側の痛みが出ている方はなにがしか後斜角筋に問題がある事が多いと見受けられます。
最初の話に戻りますが、錦織選手が最初に手首が痛いと訴えていた頃から果たしてこういう箇所のチェックをしていたかどうか、甚だ疑問ですね。

首及び肩甲骨のチェックは物凄く重要です。


楽水庵




 


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