楽水庵ブログ

利き手親指の傷め方次第で痺れを助長する事も

こんにちは、楽水庵です。

以前に手首を屈曲した際に手首周辺に痺れを起こした男性に、胸鎖乳突筋や中斜角筋のアプローチをすると症状が改善した事を書きました(リンクあり)。

その男性ですが前回から2週間後に来られ、かなり症状は良くなっているがまだ時折少し痺れが出ると言われました。
前回のアプローチ自体は良かったと感じているので、今回も前回と同様に、そして肩甲下筋のリリース(リンクあり)もしっかりと行いました。

これでだいぶ状態は良くなっていると判断したのですが、前腕の回外筋や腕橈骨筋をリリースをしている際に痛みが出ました。
これらの筋肉は上腕二頭筋を緩めると良くなるのですが、今回の場合は上腕二頭筋は良い状態だったので、どうも違うようです。
試しに円回内筋や腕橈骨筋にテーピングをしてみましたが、あまり改善はできず。

そこで、今度は親指に注目しました。
前に何回か書いていますが、親指、特に利き手の親指というのは酷使されています。
私などは仕事のせいか、左右どちらも傷め、それが筋膜の関係で首の張りに繋がって大変だった時期もあります。
主な原因は、親指を反らしてグッと何かを押したりする動作のようですね。
これによって親指の靭帯と母指対立筋を傷めます。

母指対立筋とは、平たく言えば親指と他の4本の指を「くっつける」筋肉です。
人差し指とはあまり関係ないですが、中指~小指と離れた指になるほど親指と指先の腹を合わせ辛かったら、ほぼ母指対立筋を傷めています。
そして、母指対立筋のテーピングと一緒に母指の根本の関節(MP関節と言う)の内外側副靱帯にテーピングすると効果は更に上がります。
母指対立筋テープだけだと中指・薬指とは楽だけど小指はまだ少し辛い、といった感じですが母指MP靭帯テープを貼ると小指とも楽に合わせられます。

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他にも親指のトラブルはありますが、ほとんどの方に起こっている症状はこれです。
そして、ここを改善すると前腕の筋肉も正常に動くようになります。
この男性のように痺れが出やすい方も、かなり症状が出にくいようになっていきます。
よく言うのですが、痺れが出やすい処とは骨格や筋肉の付き方によってある程度決まると思います。
ですからある程度はウィークポイントなのは間違いないでしょう。
それでも、しっかりと状態をチェックして「整える」事によってかなり良い状態にする事は十分可能だと思っています。

楽水庵


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