楽水庵ブログ

「腕が重い・・・」

京都府長岡京市の 『痛みの探偵!』 楽水庵です。

テニスをされている男性ですが、施術の際に「右腕(利き腕)がなんか重く感じる」と言われました。
どうもサーブのテイクバックをする際に重さを感じるようです。

広背筋や大円筋など腕の付け根に繋がっている筋肉が機能低下を起こすとそういう事があります。
確かに少しその傾向はありましたが、調整してから腕を振ってもらってもまだ重さを感じている模様。

それで少しイメージしてみました。
テイクバックは体幹から離れた手を近づける動作です。
これは、いわばムチを振る際に一旦ムチを身体に引き寄せる動作と同様、体幹から遠い側(詰まり、手)から動かしていきます。
これを逆に体幹側から動かしていくと「肘鉄」みたいな動きになってしまいます。
「肘鉄」は体幹から肘を離していく動きなので、体幹側の筋肉から動かしていくのは合理的です。
しかし、テイクバックには「肘鉄」的動きは不向きなのです。
何故なら野球の投球にしろテニスのサーブにしろ往復運動で、テイクバックで貯めた力を今度は体幹側から絞り出さなければいけないからです。

そう考えると、テイクバックで腕が重く感じるのは体幹から離れた箇所で問題があるのでは?と考えました。
一番思い当たるのは、親指。
他の哺乳類は知りませんが、人の親指には本当に沢山の筋肉が付着しています。
人間の動作で親指ほど使われる筋肉はないのではないでしょうか。

その親指ですが、酷使により直ぐに靭帯が弛んできます。
靭帯が弛むと筋肉が正常に機能しません。
自分もそうですが、仕事柄親指を酷使し「バネ指」みたいな症状になった事も多々あります。
そうすると、筋膜上で繋がった首の張りも強くなり、それがまた指に影響するといった悪循環に陥っていました。

これを断ち切ったのが、画像のような親指の靭帯テープ。

KIMG0242.jpg

これを貼ると、親指の靭帯の弛みがロックされしっかりするので、親指に繋がっている筋肉の働きが正常化されます。

そして大事なのは、親指の動きが正常化するという事は、「親指の動きが軽くなる」のです。

これが、この男性の「腕の重さ」ではないかと推測し、親指の靭帯にテーピングしてみました。

すると、思った通りテイクバックの動きがスッと軽くできるようになりました。
という事は、こういう悩みを持っておられる方に対しては親指の靭帯のチェックは欠かせないですね。


楽水庵



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