楽水庵ブログ

「人と同じ事をしても・・・」

よく「人と同じ事をしても勝てない」という事を言う人がいますが、本当でしょうか?

ビジネスの世界ではある程度本当だと思います。
消費者の方々に目新しさをアピールする事は必要でしょう。
しかし、スポーツの世界でこの言葉は真理か、というと違うのではと思ってしまいます。
どのスポーツでも、それが長い歴史があるスポーツであればあるほどトレーニング法はある程度確立されています。
問題はそれをどう感じて、常に新鮮なイメージで臨めるか、ではないでしょうか?

例えば、歩くという動作はほとんどの方が何気なくできます。
ところが、その「歩く」という動作を自分なりにイメージを作り実践している方は歩ドンどおられません。
「歩く」という動作が大事に思っていたら、こんなに「ながらスマホ」が問題になる事もなないはずです。
普段、お金も掛からずエクササイズできる機会を無駄にしている方が非常に多いのが残念です。

スポーツ選手のトレーニングにも全く同じことが言えます。
普段何気にやっているトレーニングの一つ一つをしっかりイメージして行っているのか?
逆にそれをしっかり実践できている人は、特別な事をしなくても十分パフォーマンスを出す事ができる筈です。
なのに、皆さん、目新しい事を追い求め、より複雑でより困難な事をやりたがります。
本当にそのトレーニングが必要なのでしょうか?
もう一度足元を見つめ直したほうが結局近道ではないかと感じます。
例えば、ボートの世界ではでよくウエイト・サーキットが取り入れられていますが、
その前にサーキットに取り入れているウエイトの種目が確実にやれているのでしょうか?
できていなければ、よりハードなウエイト・サーキットをしても、
確かにやった感はあるでしょうが得られる効果はあまりありません。
心肺トレーニングをしたかったら、他にいくらでも方法はあります。
決してウエイト・サーキットが無駄といっている訳ではありません。
その前提が正しいかどうか見つめ直してほしい、と言っているのです。

これは選手の方々の感性にも左右されますが、そういうものだという事を指導者がしっかり説明する必要があるでしょう。
でなければ指導者自体がフラフラしてしまいます。
あの強い選手がこう言っていた・こんなトレーニングをしていたから真似しよう、
的な事ばかりしている選手・チームは決して強くなれません。
メディアに騙されてはいけません。
メディアは絵面の事ばかり考えているので、その選手が本当に普段からそういうトレーニングばかりしているか疑問です。
そういう表面的な事に捉われず、自分達の感性を磨く事に専念して下さい。
勿論、いろんな情報を吸収するのはドンドンやっていってほしいですが、自分を見失ってはいけません。
また、自己否定する必要もありません。
今の自分たちを肯定して、より感性を磨き、地味なトレーニングを豊かな感性で満たしてほしいのです。

「天才とは全く新しい事を創造するのではなく、ほとんどの人が見落としている事に気付く人」と言います。
是非、普段のトレーニングで見落としている事に気付いて下さい。

 

 


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