楽水庵ブログ

痙直型脳性麻痺、ひょっとしたら「金縛り」に近い症状?

kinesio ≒ pain buster & performance upper 京都府長岡京市の楽水庵です。

以前紹介した(リンク参照)痙直型脳性麻痺の男性ですが、少しずつ改善しています。
あれから数回脳性麻痺テープを貼ってみて、頃合いを見つけ今度は3本熊手テープを足首からハムストリングの下部まで左右2枚ずつ貼っています。
この部分が中学生の頃「筋解離」の手術を受けた部分なので、ここの緊張が少しでも解ければ動かしやすくなるのでは、と思ってやっています。
本人も楽だと言ってくれています。

そして、問題は脊柱にもあると思い、頚椎から胸椎に掛けて一文字にテーピングをしてみました。
痙直型の場合情報が混乱するそうなのです。
それが一文字テープを貼ると、情報のやり取りがスムーズになるとの事でした。

まあ、そこまで遅々としてではありますが効果は確かに出てきています。
そうでなければ、本人もシンドイ目をして大阪から通う筈もないですから。

ただ、当院は2階で施術しているので、暑い中大汗をかいて杖を突きながら上がってこられるのを見ていると、何故かいたたまれなくなります。
「もっと何かできるのでは?」と焦りも感じます。

二分脊椎症のような神経麻痺は、部分的に健常者でも発症する事があるのである程度はイメージできます。
このイメージというのが非常に大事です。

そして、この方の状態をどうイメージしようかと話していた時、ふと思い付いたのが「金縛り」。
最近はなりませんが、若い事ちょくちょく金縛りにあいました。
これはなった事のある方でないと理解し辛いかも知れませんが、要するにレム睡眠とノンレム睡眠が乖離してしまった状況です。
「脳」が覚醒しているのに身体の方が完全に休んでいて、動かそうにも動かず悶え苦しむ状態ですね。
私など最初になった時はちょうどUFO(未確認飛行物体、格闘技団体ではありません!)のブームだった頃だったので、「宇宙人が俺を誘拐しに来た!」と怯えてましたね。本当にテレビの影響が強過ぎたのか(笑)

それで聞いてみると、症状が近いとの事。
思い通りに身体が動かない、もちろん金縛りよりはマシだが思うとおりに動かない点が類似していると考えました。

この金縛りが何故なるのかを調べてみると、「呼吸が浅い」というのが原因の一つとありました。
それをこの方に言うと、「呼吸が浅いとよく言われます」との事。
それでは、呼吸筋のどこに問題があるのかをチェックすると、上後鋸筋でした。

そこで上後鋸筋にテーピングしてみると呼吸が深くなり、歩いてもらうと更にスムーズになっていました。

その他も調整してみると、うちに通いだして一番楽な状態になってきているとの事で、駅までの帰り道に杖なしで数百メートル歩けたと報告がありました。
まだまだ前途は多難ですが、確実に前進していると思われます。

ただ、痙直型脳性麻痺にしろ二分脊椎症にしろ、個人個人でそれぞれ症状は異なり、全て一緒くたのテーピングでというのは非常に乱暴です。
一人一人としっかり向き合い、その方の悩みに取り組まなければ良い結果は出ないでしょう。


楽水庵


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