楽水庵ブログ

痙直型脳性麻痺の男性へのアプローチ

京都府長岡京市のキネシオテーピング協会認定指導員&療法家 楽水庵です。

障害者ボートをやっておられる、痙直型脳性麻痺の40代男性。
仮死状態で生まれたそうです。
この症状の方はほとんどが車椅子無では生活が困難で、この方も中学生までそうでした。
中学時代に奨められて膝裏と足首の手術を受けられ、その後13年杖も使わずに歩けたそうです。

ところがその後徐々に歩き辛くなり、数年前から杖を使っておられます。
体幹もしっかりせず、杖を突いて歩いている姿もかなり不安定でした。

普通脳性麻痺の方は問題のある処の皮膚感覚が薄いかないのですが、この方は一応すべて感じます。
それが曲者でした。

皮膚感覚があるという事で、それを前提にテーピングをしていったのですが思いのほか結果が出ない。
テーピングした翌日は楽なそうなのですが、段々と元に戻っていきます。
特に下腿部に力が入りません。

何か根本的に間違っているのではないか・・・
そう考えもう一度考え方を変えてみる事に。

まず、皮膚感覚をもう一度チェックしてみると裏側の感覚が過敏な様子。
という事は、ひょっとしたら情報のやり取りが上手くいっていないのかも知れない。

そう考えて、足裏からふくらはぎ~膝上までの脳性麻痺テープを貼ってみました。

ishiguro_20160707_1.jpg

それで少し歩いてもらうと、かなり股関節も安定してきました。

ただ、左足首は結構動くようになったのだが、右があまり動かない。
ここで、足首と手首には連動性があるという筋膜の動きを利用する事に。
今度は前腕部に脳性麻痺テープを貼ってみると、右足首が動かせるようになりました。

ishiguro_20160707_2.jpg

帰り杖を使いながら歩いて帰られるのを見ていると、以前と違ってかなりしっかりした歩き方になっていました。

最初からこのアプローチをしていれば良かったのかも知れませんが、皮膚感覚があるという事で騙されていました(^_^;)
しばらく続けて神経の伝達が上手くいくようにしていきたいと思っております。

楽水庵

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