楽水庵ブログ

無理やりストレッチして肋骨骨折・・・

京都府長岡京市にある、"kinesio ≒ pain buster & performance upper" 楽水庵です。
文字通り、痛みを退治しパフォーマンスを上げるような施術を行っています。

マラソン大会によく出られている50代の女性。
京都マラソンや名古屋ウィメンズにも参加され、その度にベストを出されていました。

しばらく来られていなかったのですが、先週電話が掛かってきて「肋骨を折って痛いが、テーピングで何とかなりますか?」と。
来てもらって話をよく聞くと、花粉症から気管支喘息になってしまい咳をしながら走っていたそう。
咳を続けながら走っていると当然ながら横隔膜にはかなり負担が掛かりますし、肋骨も圧迫されます。
それでどうも右肋骨辺りの筋膜の動きが悪いなと感じ、ストレッチングをしたら「ポキッ」とやってしまったそうです。

書いているだけで痛くなりそうです(^_^;)
というのも、8年ほど前に私も夜自転車に乗っていて、出会い頭に無灯火の自動車に横から当てられドアで背中を強打して肋骨を折った事があったからです。
あれは本当に痛かった。
2週間クシャミをしそうになったら痛みでクシャミが止まりましたもんね。
クシャミができるようになって(もちろん痛いですが)、「やっとクシャミができるようになったんだな」と思ったもんです。
肋骨を折ると、咳やクシャミをすると痛くなると言いますが、本当に痛い処をやるとクシャミはできません(T_T)

この女性の骨折も場所こそ私のやったところと異なりますが、痛みは結構近いところがありました。
お医者さんには1ヶ月安静と言われたそうですが、2週間後にウルトラマラソン(70㎞)があるので何とかなりませんかと。
まあ、少し無理な気もしましたが・・・
骨折した後の養生が悪かったのもあるし。
というのも、骨折して腫れが出ているのにお風呂に入られていたのです。
次の日にはわざわざジムに行ってサウナまで入っていたらしい。
シャワーだけにしてひたすら患部をアイシングしなければいけない時に・・・
本当にモッタイナイし、本当にこういう事例は山ほどあります。

いつもと動きが違う時に無理なストレッチングは最も危険です!
この女性も感じておられたように、皮膚・筋膜の動きが悪い時に無理に伸ばそうとするとキックり腰や肉離れを起こしますし、肋骨のような元々弱い骨なら簡単に折れてしまいます。
「調子が悪いからストレッチング」ではなく、まずアイシングとかで安静にしてみましょう。
それからその辺りの筋肉がしっかり収縮できるかチェックするのが理想ですが、何はともあれアイシングがお奨めです。
「冷やしたらダメなのでは?」と思われるかも知れませんが、その動きの悪い部分は大抵熱を持っています。
それを冷やすだけでも皮膚・筋膜の動きが良くなる事が結構あるのです。



まあ、それでも何とかしてみましょうという事で、とりあえずリンパコレクションテープを貼り、折れた右側の腹筋が入っていないのでS3テープを追加するだけで後はアイシング、そして帰ってからも2時間おきぐらいにアイシングを続け、食事も炎症を助長するようなものは避けるようにアドバイスしました。

2日後に(ちょっと間隔は短かったのですが、私が愛知に泊まりで行くので)来てもらうと、かなり痛みはマシになっていました。
もう一度リンパコレクションテープ、そして横隔膜の動きを良くする為に季肋部テープと横隔膜テープを追加しました。
これで更に楽になった模様。

そして1週間後。
少し痛む事はあっても、今までのような「ズキン」としたような痛みはほぼなくなり、筋肉痛のような軽いものに変わっていました。
前2回はリンパコレクションテープでしたが、今回はEDFテープに変更。
それに腹横筋テープとS3テープを追加。
おそらく軽いジョグ程度なら大丈夫でしょう。
レースの2日前に最終調整をする予定ですが、無理ならそこで中止ぐらいの軽い気持ちでやってもらえるなら問題ないと感じました。

しかし、自分が肋骨をやった時にこのやり方を知っていれば、あんなに苦しまなくて良かったのにな~。
この女性も元々健康の為に走り出したのに、いつの間にか「命を削って」走っているようになっていたので、そこは十分気を付けてもらいたいですね。


楽水庵










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