楽水庵ブログ

今の高校スポーツに対する憤り

昨日ある競技で全国的に強い高校の女子(2年生でレギュラー)が
腰が痛いという事で母親が連れて来られました。
他府県から来ている、所謂越境組の子です。
 
しかし、ビックリするぐらい体はボロボロ。
まず、肩甲骨の動きが非常に悪く、肩を動かすと亜脱臼寸前。
この状態でどうやってテイクバックできる?
というより、体幹全体の皮膚・筋膜の動きが悪いので、
横隔膜が下がらず下半身の筋機能が大幅に落ちていました。
これではまともに跳ぶ事もできません。
左膝は前十字靭帯を傷めているが、半月板もかなりボロボロ。
膝の屈伸をすると「ボキボキ」とけたたましい、
聞いていて気の毒なほどの大きな音を出していました。
 
その競技に一生懸命打ち込んでいるのは判るが、もう少し自分の体を大事にしなければいけないと、
施術中に説教して少し泣かせてしまいました。
本当にこんなのはおかしすぎると感じます。
いくら有力校でももっと選手を大事にしてくれないでしょうか?
 
これは大家さん(最近まで京都市の教員だった)やいろんな人の話を総合すると、
敢えて明言します、早稲田とかの「指定校推薦」が元凶だと感じます。
スポーツだけで早稲田とかに入りたい子供、やらせたい親、
そして選手を使い捨てにしてまで戦績に拘って指定校枠を取り、それを盾に強権を振るう指導者。
こんなのが健全な高校スポーツと言えるのでしょうか?教育と言えるのでしょうか?
仲間なんかいない、一人でもチームメイトが脱落すれば
それが自分のチャンスになる修羅の道ではないでしょうか?
 
冒頭の子に話は戻して、できるだけの事はしたつもりだが、継続して治療しなければまた体を壊すのは確実。
ところが、練習や遠征で通う時間がない。かなり不安を感じています
。どうかこれ以上壊れないよう願うばかりです。
パフォーマンスを上げ勝利する事も勿論大事ですが、高校生や大学生で一番大事なのは、
怪我なく部活を終え学校を送り出してやる事ではないのでしょうか?
 
ボートでも残念ながら競技に致命的な故障をして、艇を降りスタッフでやっている学生が少なからずいます。
こういう学生を一人でも減らしてあげたい。他の理由で艇を降りたのならともかく、
腰を傷めて漕げないから等の理由で降りるのは本当に気の毒です。
 
とにかく、健全な高校スポーツを目指すのなら、今のような指定校推薦制度は廃止すべきです。
最後に早稲田関係の方、引き合いに出して申し訳ありませんでした。ただ、この風潮には本当に憤りを感じています。

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