楽水庵ブログ

前屈しにくい男性、主訴は左臀部だが・・・

スポーツ障害等の解決を目指す、京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵です。

腰痛等の症状に対しても様々なアプローチを行っております。
腰痛といっても、原因は痛みの感じるところとは決して限りません。
意外な個所に問題があり、その為に腰のその部分に痛みが出る事も多くあります。
それは、首(頚椎)の場合もありますし、胸椎・大腿部・下腿部等、様々なケースが考えられます。

以前にも自戒として、「木を見て森を見ず」みたいな近視眼的アプローチは決して良い結果をもたらさないと書きました。
キネシオテーピングをするにしても、そういう場合は貼り増しの連続で、幸運にもその場で痛みの軽減があったとしても数時間後・数日後に状態が却って悪化する可能性もあるのです。
まさに「恥の上塗り」になってしまいます。

そうならない為にも、必要最小限のアプローチで本当の原因を見つけてあげる事が重要なのです。
ですから最近では、まずニュートラルな状態に戻して、その後どこに本当の原因があるのかを見つけるようにしています。

さて、30代の男性のケースです。
以前腰痛でしばらく通われていましたが、かなり良くなったのでメンテナンスで1ヶ月か2ヶ月に一度メンテナンスに来てもらう程度だったのですが、しばらく来られないうちにまた腰痛が再発して来られました。

以前と同様に左臀部にある痛みですが、今回のものはかなり症状が重く、前屈がほとんどできないし前屈しようとすると引っ掛かったように制限が掛かります。
本人曰く、「前屈しようとする気が起こらない」ものでした。

数回通っていただいていますが、中殿筋や仙腸関節の調整はもちろん、頚部等も含めた全身のチェックをしても、「腰は軽いがまだ痛い、前屈すると引っ掛かる」状態が続いていました。

ところが、今回念の為に胸椎のチェックをしていると、2箇所多裂筋という脊柱を守っている深層筋の弱っていました。
そこで多裂筋のテーピング(少し貼るだけ)を行ったところ、その後前屈すると引っ掛かりもなく痛みもかなり解消していました(*^。^*)

実は、多裂筋を少し貼る前に胸最長筋が良くないのは判明していたので、それに対するアプローチも行ったのですが、それだけでは効果が出ていませんでした。
この男性の関連痛をみると、まさに胸最長筋のものだったのですが、胸最長筋の機能は回復していても先ほど書いたように前屈や痛みで変化がなかったのです。

ただ、胸最長筋の筋肉テストはうつ伏せで上半身をテストする側に捻って行います。
これはあくまで胸最長筋を収縮させた状態です。
しかし、前屈は胸最長筋が緩まなければできません。
その緩む時に多裂筋が胸最長筋に悪さをして、その為に胸最長筋が緩み辛くなり、その為に胸最長筋の関連痛が起こった、推測されます。

まだまだ私が未熟なせいなのかも知れませんが、こういう腰痛の場合は本当に腰だけのアプローチでは解決できないと感じます。

楽水庵

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