楽水庵ブログ

利き手の違いによる皮膚・筋膜の流れの左右差

こんにちは、アスリートのスポーツ障害やコンディショニングも手掛けている、京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵です。
私はキネシオテーピング協会認定療法家・指導員でもありますので、キネシオテーピングを用いた施術も結構行います。

ただ、別に必ずしも何でもかんでもキネシオテーピング、とは思っておりません。
最近お越しになった方に教える「骨盤のアライメント調整」などは手技だけにしています。
起床時・就寝時に1分ほどするだけで整えられるのなら、わざわざ貼る必要はないと思っています。

また、方法は何でも良いのです。
その方のその箇所の、その時の状態によって決めれば良いのです。
だから、テーピングだけの事もありますし、時によってはテーピングにヒットマッサーを用いて「筋スラッキング」もする事があるし、更に「筋肉・筋膜リリース」を加える事もあります。
最近テレビで「筋膜リリース」という言葉が流行っているようですが、筋膜リリースをするかどうかはケース・バイ・ケースだと思います。
重要なのは、その人の、その箇所の、その時の状態がどうなっているのかをしっかり把握できているかどうか、です。
それに合致すれば方法は何でも良いのでは、と私が教えを乞うた方も言われていましたし、私もその通りだと思います。
「最初に方法ありき」ではないのです。

さて、最近全身の調整をしていて、やはり利き手によって皮膚・筋膜の流れに異なる、のがハッキリ判ってきました。
「骨盤のアライメント調整」をしてから股関節のチェックをすると、右利きの方の多くが右縫工筋と左大腿筋膜張筋及び腸脛靭帯の機能が弱っています。
弛緩ではなく拘縮しています。
ですので、「抑制」テープを貼ります。抑制とは筋肉の停止方向に皮膚・筋膜を誘導するものです。

昨日も来られた方が全員、右縫工筋に左大腿筋膜張筋及び腸脛靭帯の拘縮がありました。
そして、全員右利きでした。
一度左利きの方はどうかと考えていた矢先に左利きの方がお越しになりました。
正確に言うと、この方は右利きなのですが、子供の時から右親指にトラブルがあったので、細かい作業は右、力仕事は左でされています。
予想通り結果は右利きの反対、右大腿筋膜張筋及び腸脛靭帯に左縫工筋の機能低下がありました。

その力仕事をどちらでする、というのがミソのようです。
椅子に座って少し遠くの重い物を引き寄せようとすると(右利きの場合)、右下肢は少し外旋させで股関節・膝関節共に使おうとします。
これは縫工筋を使っている証拠です。
逆に左下肢は股関節を内旋させ踏ん張ろうとします。
大腿筋膜張筋を使っています。
この習慣が何か関係している気がしてなりません。

他にも、広背筋なども利き手とそうでない方の皮膚・筋膜の流れは正反対です。
先ほどの方が何故左を使われるかの判ったのかというと、右広背筋の調整をしている時に流れが右利きの人と反対だったからです。
右利きの場合広背筋は、右は促通方向に、左は抑制方向に調整します。
何故?というと前にある物を取ろうとして右広背筋は伸ばされる事が多いからです。
逆に左は右広背筋が伸びようとして脊柱を回旋した際に拘縮される事が多いようです。

こういう事を理解しながら施術していくと、本当に少しのテーピング等で効果が出ます。
「最小限の刺激で最大限の効果」を目指していきます。

楽水庵



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