楽水庵ブログ

広背筋の促通と抑制で『息が深く吸える』

お疲れ様です、京都府の長岡京市でアスリートのケアやコンディショニングをさせていただいている、スポーツ整体院 楽水庵です。

今回の20代男性は、現在は競技をしていませんが中高と陸上の跳躍をやっていました。
アゴや首・腰のトラブルがあり、通ってもらっています。

前日に走って背中の違和感が出てきたという主訴。
そして、また息を深く吸おうとしても、何かが邪魔して息が入りきらないそうです。

いろいろとチェックして、どこに問題があるか探していたら、左右共に広背筋の動きが良くありませんでした。

kobori_20150601.jpg











そこで、上の写真のように広背筋の内側の機能を上げるテーピングをしました。
これで興味深いのは、一般的に広背筋のテーピングは「抑制」という概念のテーピングをします。
「抑制」とは文字通り働きすぎて疲れている筋肉の機能を抑えるという意味合いで、筋肉の終点(本来は停止と言います)から筋肉の始点(起始と言います)に向かって貼ります。

そうする事によって、キネシオテーピングの「リコイル効果」、基部(貼り初めた箇所)に向かって皮膚・筋膜は動こうとする効果を狙うのです。
上の写真で言えば、左側が正にそれを狙ったテーピングです。
一応、皮膚・筋膜の動きを矢印にしておきました。


ところが、右はそれと逆に始点(起始)へ動かす方が力が出るし楽になるのが判りました。
今までやってきた中で、広背筋を始点(起始)から貼るのは初めてでした。

こちらは「促通」という概念で、何らかの事情で働いていない筋肉を刺激して稼働させる目的で貼ります。
ですから、右の矢印は左と反対に下を向いていますね。
そちらが広背筋の始点(起始)なのです。
広背筋は腰の方から始まって腕の付け根で終わります。

先ほども書いたように、広背筋の一般的な貼り方は終点(停止)からですので腕の付け根から貼ります。
ところが、今回の彼のような場合は、あくまでその人に合った貼り方をしなければいけません。

そういう訳で、同じ広背筋ですが貼り初めの位置は真逆になりました。

この貼り方をして身体も曲げやすくなり『息が入る』ようになった、と言ってくれました。
おそらく胸椎が安定したからでしょう。

跳躍をしていた時に(ちょっと自分は判り辛いのですが)「広背筋で跳ぶ」という感覚でやっていたそうです。
ひょっとしたら、その時から傷めていたのかも知れません。

あくまで特殊なケースとは思いますが、こういう方もいると思ってアップさせていただきました。

楽水庵

過去の記事

全て見る