楽水庵ブログ

腹直筋の拘縮、その原因は?

こんにちは、日本ボート協会医科学委員会トレーナー部会メンバーでもある、キネシオテーピング療法家・指導員の京都長岡京にあるスポーツ整体院 楽水庵 水谷です。

この前に、原因不明(病院では筋肉の疲れと言われた)の重い腰痛により、3か月間何も練習できなかったボート部の男子大学生の話を書きました(リンク参照)。

その翌日に、その詳細を横で見ておられた方から、「東京の選手で一人困っている方がおられるのでお願いできませんか?」と電話がありました。
前日はずっと艇庫の2階でいたものでレースを全く見ておりませんでしたのと、ちょうど昼から仕事が空いていたのでお受けして2日連続で瀬田に(今回は電車で)。

瀬田でお会いして話を聞いていると、2年ほど前に原因不明の下痢が続き、下痢は治まっているもののそれ以来何か特に右脚に力が入らない状態になっているとの事。
その場で直ぐに右小趾と3趾のチェックをしたら、どちらも力が入らない。腓骨筋も反応できない。
立位ですが、ハムストリングのテストもしてみましたが、これも右が反応できない。
その時点で仙椎1番と2番からの神経障害が出ているのが判明しました。

それから施術する場所が確保できたので本格的にチェック。

すると、前日の大学生と全く同じ症状が・・・
それは、腹直筋の拘縮です。
腹直筋はあくまでアウターマッスルですから、必要のある時だけ収縮しなければいけません。
それがずっと硬い状態のままだとそれ以上収縮しませんし、弛みもしません。
腹直筋のテストをしてみましたが、体格から考えられないほど反応できませんでした。
特にボート競技のように身体を後ろに跳ばす動きをする場合、腹直筋の拘縮があるとそれがブレーキになってしまいます。
車で言えば、「サイドブレーキを掛けながらアクセルを踏んでいる」状態になってしまいます。
勿論、パフォーマンスは低下します余計に収縮しなければいけない背中側の筋肉に負担を掛け、より深刻なスポーツ障害を起こす可能性が高いのです。

そして、腹直筋の拘縮に腸腰筋の機能低下も著しいのが共通していました。
ただこれは、以前にも同様の事を書きましたが、腹直筋が拘縮するから腸腰筋の機能が低下するのか、腸腰筋が弱ったからそれを補おうと無意識に腹直筋に力が入り拘縮してしまうのか、今の私では判りません。
おそらくどちらも考えられるでしょう。

どちらにせよ、この問題をクリアしなければパフォーマンスは向上しませんし、痛みがある場合はそれが軽減しないのです。

楽水庵

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