楽水庵ブログ

出尻(でっちり)とストレートネックの関係

お見えになる方で、よく「病院でストレートネックと言われた」と仰る方がおられます。
ストレートネックとは文字通り、本来前弯であるべき頚椎のアーチがなくなっている状態です。
そのままだと首や頭部にも悪影響を及ぼす可能性が非常に高いので、修正した方が良いでしょう。
 
では、どうするかと言えば、大抵その状態の方は骨盤が後ろに引いている、
所謂「出尻(でっちり)」の姿勢なのです。
脊椎のアーチは仙骨・腰椎が前弯→胸椎が後弯→頚椎が前弯、が正常です。
「木を見て森を見ず」、ストレートネックの方はまず下のアーチから崩れている事が多いのです。
そういう方は仙骨・腰椎が後弯、胸椎が逆に前弯しそうなのを頑張って戻そうとしますが、
結果的に頚椎のアーチは真っ直ぐにしかなりません。
自然のアーチが全て崩れてしまっているのですから、
ショックアブソーバーの役割をしてくれる椎間板の位置もずれ、ヘルニアの恐れも出てきます。
こういう方の傾向としては、真正面を見る時に顎が上がっています。
逆に正常なアーチの人は顎を少し引かなければ正面を見据えられません。
 
対策としては、まず出尻を治す事です。腰にも良くありません。
体の縦の軸から大きなお尻がかなりはみ出している訳ですから。
また、そういう状態ではお尻の筋肉(大臀筋)やハムストリングが緩みっぱなしで弱ってしまいます。
女性に多い(男性でも)垂れ尻の原因です。お尻の位置はスタイルの最重要点ですからね。
お尻の筋肉を軽く締め骨盤を前に少し突き出します。
それで仙骨・腰椎のアーチは前弯に変化します。
ただ、この姿勢をとると腰が痛くなる方もおられます。
それは腹筋、特に腹直筋の下部の機能が低下しているからです。
実は下腹部も緩みっぱなしなのです。
そういう場合は、椅子に座って少し両足を挙げる腹直筋下部のエクササイズなどをしもって、
痛みの出ない範囲で骨盤を前に出すようにします。
少し時間は掛かりますが、そうするしかないのです。
 
こういう地味な努力で出尻を解消していけば、ストレートネックも解決します。
頚椎だけアーチを戻そうとしても無理なのです。
キネシオテーピングも並行して使っていけば、解決の時間は早まります。

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