楽水庵ブログ

クロールでバタ足をすると足首が痛い小学生

体育の授業とかで痛くならないのだが、スイミングクラブでクロールをすると両足首の甲の部分が痛くて、結局腕だけで泳いでいる状態がここ10日ほど続いているとの事。
母親が以前当院に来られていたので連れて来られた。

痛くなり始めた時に変わった事は?と尋ねると、その頃から上のクラスになり、練習日と練習時間が増えたとの答え。

実は水泳選手のスポーツ障害は初めて。

先ず痛い処を確認すると、長趾伸筋のライン。
そして、長趾伸筋の筋機能低下を見るには下腿部の腓腹筋やひらめ筋をチェックしなければいけないのは当然だが、仙椎1番の神経支配領域なので神経的なものも調べなければいけない。

腓骨筋の下に腰椎5番と仙椎1番の神経が走っているので、まず腓骨筋をチェックしてみるがこれは大丈夫。
次に本丸の仙椎1番の神経根を調べると両方共に圧迫が認められたので、ジェルフィッシュテープを貼付。

貼付前は俯せでバタ足の動きをすると痛かったらしいが、貼付後は痛くなくなったらしい。
それでも念の為に腓腹筋テープと長趾伸筋テープを貼っておく。

それ位で良いかと思っていたが、母親が「この子はうまくしゃがめない」と言っていたので、もう一度股関節をチェックすると両方共に腸骨筋・縫工筋の機能が低下していた。
その2つに効かすπテープを貼付。

恐らく、腸骨筋と縫工筋は元々弱かったのだろうと推測される。
両仙椎1番の神経障害は、座位の姿勢がかなり猫背らしいのでそれで圧迫されているのかも知れない。
座位の姿勢が悪いので首の張りも強く、片頭痛持ちでもある。

腸骨筋と縫工筋の機能が弱ければ、バタ足をする際に股関節からの出力が小さいので膝関節に頼るしかない。
ところが縫工筋は膝関節にも関わっているので、膝関節も十分には機能していない。
増してや、仙椎1番の神経障害があればバタ足をして痛くならない方が不思議だろう。
そこへ持ってきて、練習日と練習時間が増えたのだから・・・

多分これでしっかりと動けるとは思われるが、用心の為にしばらくは下のクラスで様子を見て大丈夫なようなら元のクラスに戻ったら、とアドバイス。
母親も同意見だったので、来週また来てもらって状態と相談という形にする事に。

考えてみればクロールのバタ足は、常に足関節を底屈させたままなので、かなり特殊な動きかも知れない。
だから水泳のクロールの選手と同じようなスポーツ障害を持っている可能性があるのは、ひょっとしたらバレリーナなのかも。




過去の記事

全て見る