楽水庵ブログ

パワーリフティング ジュニア世界選手権代表の高校生

ご両親が通院されている関係で、「一度見てほしい」という事で来院。

中学時代に左膝半月板の手術をした。
今回の主訴は、右膝内側の違和感と右肩が緊張したりすると痺れが出る、この2点。
それと悩みは、ベンチプレスの重量が増えないという事と、指導者にはスクワットで「股関節が使えていない」と指摘されているが、どうすれば良いか、という点。

まず、足が開帳足なので、しっかり踏ん張れない。
横アーチを作るテーピングを貼付。
仙腸関節に負担が掛かっていたのは、そのせいもあった。

次に、何と言っても股関節周りの筋機能が弱い。
特に、腸骨筋と梨状筋。
それと右腰椎の2番・3番・4番に神経圧迫あり。
スクワットをしても、体が回転する事があったらしいが、これが原因と思われる。
ジェルフィッシュテープを貼り、梨状筋には足裏に貼る代替テープで対応。
腸骨筋は「加圧リリース」を行う。
右はジェルフィッシュのおかげでそれほどでもなかったが、左はメチャ痛かったらしく悶絶していたsad

これでスクワットのフォームをしてもらうと、本当に楽にしゃがむ事ができた。
また彼は立ち上がる際に大臀筋を使うというイメージがなかったらしく、それをレクチャーしたが、股関節の機能が向上すると自然に大臀筋で立ち上がれていた。
また、先ほどの足裏へのテーピングで、足趾で踏ん張る事も自然にできるようになった。

左膝は半月板の具合は少し良くなかったが、大腿直筋テープと膝蓋骨Wテープでかなり安定。
膝のクリック音も周りの筋肉の状態が良ければ、あまり鳴る事もない。

右膝内側の痛みは内側広筋が原因なのだが、実は本当の原因は梨状筋が弛まなかったので、右脚が外旋状態のままで、結果的に大腿部の筋膜が外にずれていた為に膝内側が外に引っ張られて起こったもの。
もう一つ、膝窩筋も弱かったのでテーピング。
既にその頃には膝の痛みはかなり消えていたが、大腿部に筋膜コレクションテープを貼って筋膜のずれを正すと、本当に楽になった模様。

そして、益々スクワットのフォームが良くなっていく。

肩だが、高校生にしては肩甲骨の動きが良くなかった。
肩が痛いので、ベンチプレスで高重量が挙げられないらしい。
首の前斜角筋・中斜角筋が左右ともに張りが強かった。
それと、左は肩甲下筋の状態が良くなかった。
右の痺れの原因は下僧帽筋だった。
下僧帽筋だけテーピングし、残りは「加圧リリース」で対応。
驚くほど関節可動域が増え、引いてはスクワットのフォームも更に改善。

このまま良い状態で練習を重ねれば、6月に南アフリカで行わる世界ジュニア選手権でも十分勝負になるでしょう。




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