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楽水庵ブログ 京都のスポーツ整体院 楽水庵のコンディショニングブログ: 2015年8月

小殿筋、これは下肢のトラブルの宝庫では?間欠性跛行にも有効か

こんにちは、京都府長岡京市で主にスポーツ障害等のお悩みに対応している、スポーツ整体院 楽水庵です。

今回のテーマは、「小殿筋」。

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股関節の筋肉としては一番奥に位置しています。
この小殿筋の上に中殿筋があり、更にその上に大殿筋があります。

この機能が低下していると、下肢全体に悪さをします。
当院に来られている腰にトラブルのある方を診ていると、何かしか小殿筋に問題があるのが判りました。

とういのも、今まで私が教わってきたキネシオテーピング療法では大殿筋や中殿筋の評価やテーピング法はありましたが、残念ながら小殿筋に対するアプローチはありませんでした。
その為に、中殿筋に陽性の出ている方に、神経的な問題がなければ中殿筋テープを貼り続けエクササイズをアドバイスしていましたが、なかなかテーピングなしに機能回復できない方もおられました。

それでもそう深刻に考えてこなかったのですが、脊柱管狭窄症で間欠性跛行を発症している男性で小殿筋の問題に行きつき、自分なりにテスト法・評価、そしてテーピングや現在私が行っているMUST(マッスル・ユニット・ストレングス・トレーニング)による改善ができるようになりました。

その脊柱管狭窄症の男性ですが、しばらく歩いていると下腿部や大腿部の横が辛くなってきて、しばらく屈まなければ歩行を再開できない、という状況が続いていました。
今まで、神経的なアプローチ(今も少しはやっています)や中殿筋、大腿筋膜張筋を含む腸脛靭帯等へのアプローチも続けてきましたが、結果はマチマチで、時間の長短はあるにせよ屈まなければいけませんでした。
今月末に熊野古道へ行かれる予定なので、何とかせねばと調べた結果、小殿筋の関連痛がこの男性の主訴とよく似ているので検査法を考えテストしてみると明らかに陽性でした。
そこで、この筋肉の形に沿ってテーピングしてみるとかなり良い感触でした。
ここでややこしいのは、小殿筋テープも中殿筋テープ同様大転子からのY字テープなのですが、中殿筋が主に緊張をほぐす「抑制」テープで貼るのに対し、小殿筋テープは筋肉の活性を促す「促通」テープで貼る点です。
中殿筋テープで小殿筋をカバーできなかったのは、おそらくこの点ではなかったかと思われます。

次に来られた時に、屈む必要はなかったが200~300mまではスタスタ歩けるが、右の臀部が少し痛くなってきてスローダウン、しばらくするとまた復活、の繰り返しだったとの事。
小殿筋は良くなっているようですが、中殿筋か大殿筋が邪魔して小殿筋に枠影響を及ぼしているのではと推測。
検査してみると、中殿筋が良くありませんでした。

そこで、中殿筋テープを貼ったうえで小殿筋テープを貼付。
重ね貼りをする時の原則は、表層の筋肉から貼っていく、なのです。

これでまた改善が見られました。
熊野古道へ出発されるまで後2回来られますが、何とか屈む事無く歩き続けていただけるようになっていただきたいと思っております。


また、別のケースですが、右膝の半月板等を傷めておられる女性です。
右大腿直筋遠位の機能がテーピングしても今一つ回復しません。
神経的には問題がないので、これもひょっとして小殿筋かなと推測しテストすると、やはり陽性。
小殿筋テープを貼ってもう一度大腿直筋のテストをすると、物凄く回復していました。

私自身も前から左中殿筋の辺りに違和感があり、時折中殿筋テープを貼ってみたりしたのですが、なかなか良くならず。
これも自分でテストしてみて小殿筋テープを貼って、MUSTをしてみるとかなり楽になりました。
一番楽だと思うのは、ズボンを履く時に左脚を挙げた時です。
こういう動作の時にも小殿筋は使われるようです。

大腿直筋の機能が低下していると、特に遠位に力が入らない状態になると膝のトラブルを起こしやすくなります。
今までは神経的なアプローチで診がちだったのですが、小殿筋という新たな物差しができたので、この観点からもチェックする事が可能となりました。

こうやってみると、まだまだ自分の知らないアプローチがあったのだと痛感します。
終わりはないと思いますが、一つ一つ見つけていって、更にお越しになられる方のお役に立ちたいですね。

楽水庵




右手首の痛み、「歳のせいと言われました・・・」

京都府の乙訓地区、長岡京市でスポーツ障害を中心に施術を行っているスポーツ整体院 楽水庵です。

今日午前の施術が終わり、昼食を摂って墓参りに行こうかと着替えていたら、「もう終わりですか?」と壮年の女性が入ってこられました。

完全予約制でやっているのですが、案外近所(この女性は職場が近所)の方は直接来られる事がたまにあります。

聞いてみると、テニスをされている方で以前から右手首痛で悩まれていました。
いろいろご自身で調べていると、TFCC(三角繊維軟骨複合体損傷)ではないかと思われ整形外科を受診、検査の結果も一応そうらしく、「歳のせいだから仕方がない」と言われ憤慨されていました。

その病院での治療はヒアルロン酸注射です。

少し前に肩を傷められた男性もヒアルロン酸注射による治療を受けられていましたが、一向に良くならなかったようです。

この場でヒアルロン酸の有効性を論じる気はありません。
ただ、このやり方で効果が出ない方々がおられるのも事実。

右手首の尺側が痛いという事で、以前診た高校生でもそうだったのですが広背筋が良くないのでは?と感じ、右広背筋のテストをしてみると予想通り陽性反応が出ました。

そこで、最近開発して効果を出しているMUST(マッスル・ユニット・ストレングス・トレーニング)というテクニックで広背筋の機能をその場で上げてみると、かなり手首の痛みが緩和された模様。
次に、その広背筋が何故機能低下したのかを探る為に右肩関節をチェックしてみると、肩甲上腕靭帯に弛みが見られました。
肩甲上腕靭帯に弛みがあると大胸筋が働きません。
ラケットを持つ側の大胸筋が効かない状態だと、プレーしていると、いえプレー以外の日常生活においても様々な無理が生じてしまいます。

その結果、この女性は右手首を傷めてしまったと考えられます。

検査の結果はTFCCなのでしょうが、その本当の原因が判っていないと痛みを解消するのは難しいでしょう。

今日は時間がなかったので、この女性には来週月曜に来てもらう事にしてもらいました。
もちろん、広背筋・肩甲上腕靭帯以外にも問題はあると思いますので、そこもしっかり見つけて対策をしたいですね。

「歳のせいだから」、この言葉を医師に言われる方は結構おられます。
安易に言ってほしくありません。
ただ、これも医師の持っている「診断権」なんでしょうかね(笑)


楽水庵

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