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楽水庵ブログ 2014年7月

ピッチャーの肘のトラブルについての考察

少し前に田中マー君の肘の故障について書いた。
今回はそれに関連したものです。

よく、メジャーの使用球が滑りやすいからとか、中4日のローテーションが過酷だからとか、
いろんな原因が挙げられているが、そんな中でスプリットボールの多用というのもあった。

フォークボールの一種で、フォークよりは落ちないがスピードが出るそうだ。
まあ、カーブに対するスライダー的なものでしょう。

そして、スプリットを多用すると何故故障するかというのに、
投げ方云々ではなく、スプリットはストレートを投げるとバッターに思わす為に
より速い腕の振りをするから、という考察がありました。

これは非常に興味深いものです。
というのは、この間まで通っていた高校球児(ピッチャー)が
「バッティングピッチャーをすると肩や肘が痛くなる」と言っていたからです。
というのも、相手が打ちやすい球を投げてあげようとボールを置きにいくようなのです。

今月、ブライトボディさんの勉強会でたまたまその時のテーマが
野球における肩や肘の故障で、ディスカッションの際に私がそういう例を挙げ、
ただ現場では見た事がないんでと言ったら、現場で見ておられる理学療法士さんが
「実際バッティングピッチャーをしてると皆投げ方が不自然になってますよ」と言っておられた。

下半身から作り出したパワーを最後に腕の振りでボールにパワーを伝える、
そのリズムが、片や腕の振りを速くしようとして傷め、またその逆で球を置きにいく、
つまり最後の腕の振りにブレーキを掛ける(遅くなる)、そのどちらでも故障の原因になるようです。

ただ、競技というのは相手のタイミングを外すのも重要なファクターです。
フェイント全てをスポーツ障害の原因になるから、と除外してしまうと
スポーツそのものが成り立たない、といった事にもなりかねません。

どうバランスを取るか難しいところです。


「お尻の筋肉を増やしましょう」

4月から定期的に痺れ等で通っておられた40代の大学教授。
来月初めに最低1年のアメリカ再留学を控えておられる為に、
昨日が最後の施術。

左足元の痺れは内臓の関係もあったが、多少坐骨神経痛の傾向は残っている。
ただ、左梨状筋の状態はそんなに悪くはなく、逆に右の方が結構悪い。

この方の場合は、学究生活がかなりハードだった模様で、
運動不足がかなり響いており、まだ40代前半というのにお尻の筋肉、
特に大臀筋が結構落ちている。

自分の母親もそうなのだが、お尻の筋肉がなくなっていくと座位が辛いらしい。
筋肉のカバーがなくなり、直接坐骨が椅子にあたったような感じになり圧迫される。

この方はまだまだ若いのだから、エクササイズで大臀筋を付ければ圧迫はかなり防げる筈。

簡単なエクササイズをアドバイスしておいたので、是非向こうへ渡ってからも続けていただきたい。

「無理な体勢になった時に少し痛い程度」

5月下旬にフットサルのプレー中に膝の内側側副靱帯を部分断裂された男性。

週に1度程度先月一杯ぐらいまで来ていただいていたが、
それもかなり良くなったので、昨日は本来の肩こりでお見えになった。

膝の方は順調で、既にフットサルもされており、
「無理な体勢になった時には少し痛みます」と話されていたが、
それでプレーに不安を感じる事はなさそうな様子だった。

後は、膝周りだけでなく、股関節や足関節周りの筋機能をアップしていけば
膝に負担が掛かる事はそれほどないと思われる。

左手人差し指・中指の痺れ

月に一度の割で肩こりで来られる40代の男性。

施術中に、「最近左手の人差指と中指が痺れます」との事。

最初は胸郭出口症候群、つまり頚部前部の前斜角筋や中斜角筋を疑ったが、
どうやらそこではなさそう。

次に後斜角筋のリリースをしてみる。
そうするとかなり痺れが治まってきた。
また、後斜角筋と反対の動きをする板状筋のリリースも併せて行う。

すると、更に状態が改善し、痺れがほとんど出なくなった。

所謂、「肩頚腕症候群」でした。

夏場は後頭部が張りやすい?

最近来られる方は皆一様に後頭部の張りが結構強い。

かくいう自分も後頭部から滝のように汗が出る、
まあ、坊主頭というのもあるのかも知れないが(^_^;)

もちろん、後頭部の張りというのは上僧帽筋等の方や首の筋肉の張りも
あるのだが、ひょっとして暑い中自律神経のコントロールの為に
脳幹がフルに活動しているからではないか、とふと考えてみる事もある。

まあ、全然科学的根拠に基づいた話ではないですがね(笑)

スポーツ障害、本当にその競技が原因か?

所謂、スポーツ障害の原因は何かと考えた時に、
本当にその競技をした事によって
一からその障害が発症したとは考えられない事例も多々あります。

日頃の行動パターン、例えば寝ている時にどういう姿勢で寝ているか、
椅子に座っている時に脚を組む事が多いか、
また、その場合どちらの足を上にしている事が多いのか、
等々様々な日頃の癖によって知らず知らずの内に
身体のアンバランスが発生している事が非常に多いように見受けられます。

本当に日常生活を送っているだけなら、それほどその違和感はあまり感じられないかも知れませんが、
スポーツをする事によってそのアンバランスは増幅されてしまいます。

だから、原因はそのスポーツをした事ではなく、
その行為自体は単にトリガーを引いただけなのかも知れません。

それは、単なるスポーツ愛好家でもトップアスリートでも変わらないと感じます。

一例を挙げると、右脚を上に組んで長時間座る事により、
反対の左の坐骨リンパ節は圧迫され左下肢のリンパの流れが悪くなり、
それが神経伝達に支障をきたし、躓きやすくなる等のトラブルを引き起こします。

また、足のアーチ(特に横)が少ない事により、足趾全体で床や地面を掴めない事から
競技において身体が安定しない、また、それを補おうとして余計なアクションをする事によって故障する、
という事もよくあります。

全ての自分の普段の癖を把握するというのは非常に難しい事です。
私も右肩が下がる癖が、気を付けていてもなかなか直せません。
ただ、自分自身がどんな癖を持っているのかを一つでも気付く事によって、
不必要なスポーツ障害を防げる可能性は非常に高いと思います。

毎日、大股でしっかり歩く事によって、
股関節はしっかり使えているか、足趾はしっかり地面を掴めているのかをチェックする、
こういう地味な事からでも傷害から免れる事は十分にあると確信しています。

会社の体力測定で(T_T)

月に一度の割合で来院される40代の男性会社員。

昼間に会社で体力測定があり、背筋力計で頑張り過ぎて、
それから左の脇腹が痛くなったとの事。

おそらく、広背筋が絡んでいるなと思い検査してみると、案の定だった。
加えて、腰腸肋筋も傷めておられた。

その2つの筋肉をサポートするようにテーピングすると、
痛みをほとんど感じなくなったようだ。

頭痛がひどくて吐いた・・・

6月初旬から、なかなか都合が付かず約1か月半ぶりに来られた30代の女性。

頭痛がひどくなり昨晩は吐いたそうだ。

この方の場合側頭部・後東部・頭頂部の張りも結構強かったが、
左の板状筋の張りが非常に強く、これが頭痛の一番の原因と思われる。

板状筋をほぐすと、かなり楽になられた。



田中マー君に見られるような投手の肘トラブル

田中マー君が右肘内側側副靱帯の部分断裂になって現在治療中とか。

「トミー・ジョン」手術をするかどうか、世間では手術を勧める論調も結構ある。

自分も少年野球や高校球児で肘を傷めた投手に対してテーピングをしてきたが、
こんなことを書いて「エラそうに」と思われる向きもおありでしょうが、
案外このトラブルは簡単に解消されます。

大事なのは「皮膚・筋膜の流れを是正する」事です!

よく投手の肘のトラブルは出てきますが、
キャッチャーが肘を傷めた話は聞きませんね?

しかし、考えてみればキャッチャーもピッチャーにボールを返すから
同じ数だけ投げている筈です。

では、何故キャッチャーは肘を傷めないのでしょうか?
そして、ピッチャーの場合肘を傷めるのはほぼ内側です。
これもまた何故でしょう?

思いっきりボールを投げようとすると腕は内に捻られます。
特に前腕はかなりです(前腕の場合は回内と呼びます)。
この動きを続けると特に前腕の皮膚・筋膜は内にドンドンずれていきます。
そしてドンドン肘の内側周辺を圧迫していくのです。

これが所謂「野球肘」の主たる原因です。

ですから、前腕の皮膚・筋膜を外に、つまり元の状態に戻してあげるだけで、
痛みはかなり軽減されます。

現に、以前肘が痛くて半年投球できなかった小学生が、
一度そういうテーピングをしてあげると2回目に来るまでに
既にピッチングをできていた、というような事もありました。

「小学生とメジャーリーガーを一緒にするな」というような意見もあるでしょうが、
傷めている原因はその人のステータスとあまり関係ありません。

どんな名プレーヤーでも傷め方は一般の人と大して変りないのです。

また、内側側副靱帯ですが、これは靭帯を弛めない簡単なテーピングを施す事で、
かなり症状が改善されます。
後は、無理をしないでテーピングやアイシングをしながら、
その時々に応じたエクササイズをする事で回復のスピードは上がっていきます。

せめて、ちゃんとした入れ歯でも

「やはり奥歯がないと…」で紹介した男性。

今回は外側翼突筋の張りが強くなって来られた。

本来なら、もうこういう痛みはなくなって然るべきなのに
歯がない為に口腔内のバランスが取れず痛みが再発してしまう。

最初からの経緯を述べてみる。

前からの虫歯が進行し、昨年奥歯を10本ほど抜歯。
歯を入れるのにその歯科では歯列矯正をしなければ駄目という。
暫定的に入れ歯を作ってくれたが、その入れ歯が全然合っていない。
入れ歯を作り直してくれと頼んでも、
「どうせ歯列矯正するから意味がない」と言ってやってくれない。

本当にマシな入れ歯さえあればこの方の顎はもう痛くなる可能性はかなり低いのだが・・・

そして、もっと恐ろしい事に、
歯列矯正をしている間に顎が痛くなったらどうする?と訊いたら、
ずっと痛み止めを飲んでくださいとの返答。
歯列矯正に掛かる期間は2年、その間痛み止めを飲み続けたらどうなる?

まあ、そういう訳でこの方はその歯科に行くのをやめて
次を探しておられるのだが、結構この件がトラウマになっておられる。
本当にお気の毒な事です。

来週火曜日に来られる女性が歯科の受付をされているので、
話をしてみてそこの先生が受け入れて下さるのならお願いしようかと相談していた。

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