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楽水庵ブログ 2014年1月 2ページ目

膝の痛みの本当の原因とは?

膝の内側に痛みを抱えている人は結構多い。

直接原因は、主に内側広筋という大腿四頭筋の一つであるが、では内側広筋が痛むのかを考えてみると、実は股関節の問題が一番重要な事がかなりあるのです。

膝の内側が痛い人は、ほとんどの場合大腿部の筋膜が外側にずれています。
では、何故ずれるのか?
そして、そういう人は梨状筋という臀部の筋肉の機能が低下しています。
梨状筋は股関節を外旋させる筋肉です。
つまり、股関節の旋回をニュートラルにする為には、この筋肉が弛緩する必要があります。
弛まない、この状態を拘縮と言いますが、この状態が続くと大腿部の筋膜は外に引っ張られてしまいます。

内側広筋テープを貼り、大腿部の筋膜を内側に寄せるテーピングをすると、その場で痛みはかなり軽減しますが、梨状筋の状態がそのままだと、またしばらくすると再び痛みだしてしまいます。
梨状筋へのアプローチも大事です。

「少し離れたとことからアプローチ」、これを今心掛けています。

管楽器をされている女子大生

管楽器をやりだして10年、先月に発症してマウスピースをしていると楽だが、如何せん管楽器を吹いている時はマウスピースはできないし、とにかく顔の真ん中あたりが引きつってつらい、との事。
ほとんど専門家のような方なので、アンブシャ(吹いている時の口の形)に問題があるとも思えない。
アンブシャのせいで顎関節症になったのなら、もっと早くなっているだろう。

それよりも、吹いている時の姿勢や楽器の構え方の方に問題があると思える。
肩もこっているし、背中もガチガチ。

ちょっと遠方から、それも電車やバスで辺鄙な当院へ来てもらっているのだから、できるだけ少ない回数で通院しなくても良い状態になってもらいたいので、徹底的に全身の調整をしてから、顎関節への手技を行う。

ひらめ筋がかなり弱く、立って演奏するには結構問題がありそう。
顎関節症への直接要因ではないが、抗重力筋であるひらめ筋が弱いと軸がしっかりできないので、どこかで無理をしている可能性が高く、これが肩や背中の張りを招いているかも。

もちろん、左の下顎骨後頭骨靭帯も弛く外側翼突筋も張りが強かったが、それを解決するだけで顎関節症が劇的に改善し以後症状が出なくなるとは思えない。
やはり、全身のバランスを整え、そして患部へのアプローチが結局一番の近道になると確信している。

坐骨神経痛でお見えになった40代男性、2回目

前回貼ったジェルフィッシュテープの下の方が早い目に剥がれてしまったらしい。
それで余計にあのテープの威力を実感できた、と話してくださった。

それでも状態はかなり良くなってきている。
今回はハムストリングとそれの拮抗筋である大腿四頭筋の加圧リリースも行う。
やはり、患側の梨状筋の筋機能低下が著しいので、加圧リリースだけでは不十分と判断、足に代替テープを貼る。
そして、前回同様ジェルフィッシュテープを貼付。
神経圧迫も徐々に軽くなってきている。

肩や首のこり、頭痛もあったので、それも一緒に施術させてもらった。

頭痛対策エクササイズ、側頭筋

厳密に言えばエクササイズとは言えませんが、側頭筋の張りも片頭痛の要因ですので、少しでも軽減させるようにしましょう。

この側頭筋は前の胸鎖乳突筋と同様に、奥に動脈が走っているので、これらの筋肉が硬直すると頭部への血流が妨げられます。
それもありますので、側頭筋のエクササイズをする時は、胸鎖乳突筋も一緒にしなければ効果は薄いと思います。

では、側頭筋のエクササイズですが、一つは耳の上の部分を両手を使って圧迫します。
3~5秒の圧迫を数回行うだけで、かなり側頭筋は弛みます。
それでもまだ張りが強ければ、今度は眉毛のやや外側を押さえて口を数回開け閉めします。
この部分は側頭筋の一番前に当たります。

実に簡単なので、繰り返しますが胸鎖乳突筋のエクササイズと共にやってみてください。

顎関節症:肩甲下筋と中斜角筋との関連性

最近になって顎関節症で来院される方が急増してきている。
寒い時期は首の張りが強くなりやすく、それが顎関節症の悪化を招いているようだ。

最近では、「顎関節症は全身のバランスが崩れたサイン」という考えの下、全身の調整を必ずするようにしている。
もちろん、腰の状態が良くない方も多い。
首と腰は脊柱の両端で、互いにバランスを取っているので、必ずチェックは必要。
「首が悪い人は腰を、腰が悪い人は首を、必ず診る」を実践している。
腰から下の状態が改善するだけで、口が開きやすくなる人もおられる。

そんな中でも、顎関節症で来られる方の共通点として、顎の悪い側の中斜角筋と肩甲下筋の状態が良くないことが挙げられる.
肩甲下筋は肩甲骨の奥に付いていて、表側に付いている棘下筋(きょっかきん)と対になっている。
肩甲下筋が上肢を内旋させる役割を、棘下筋が外旋させる役割を担っている。

先ほど書いたように、顎関節症の方はこの肩甲下筋が拘縮、つまり固く縮んだ状態になっており、結果的に棘下筋が弛んでいる。
上肢の内旋が強いとも言える。

それと、首の中斜角筋。
これと肩甲下筋の関連は、ひょっとしたら「アナトミー・トレイン」、筋膜の関連性で証明されるのかも知れないが、今のところ自分にはそれは判らない。
とにかく、臨床でそういう傾向が強いとしか述べられない。

と言っても、この2つさえ押さえて、後は顎関節への直接手技さえすればそれで良いとは思えない。
それ以外にもある様々なマイナス要因を取り除いてあげなければ、本当に良くはならないだろうと考えています。





桃山御陵でエクササイズ

先日、昨年11月下旬にぎっくり腰をやって以来、久しぶりに桃山御陵(明治天皇陵)へ行きエクササイズ。

桃山高校へ通っていたので、35年以上この御陵との付き合いがある。
高校卒業後も、ちょくちょく走りに行ったりしていたが、ここ数年はあまり足を運ばなかった。
昨年秋以来、できるだけ週に一度は行くようにしていた。
何と言っても、緑に囲まれた良い環境なので、気分が良くなる。

家から桃山御陵までは、ほとんど上り勾配。
特に最後の方はかなりキツク、自転車で行くとそれだけでかなりのエクササイズになるcoldsweats01

参道入り口で自転車を置き、上り勾配の砂利道を約1キロほど歩き、明治天皇のお墓(下の写真、左)にまず参拝。
これは前方後円墳になっており、このお墓の向かって左側に、今は亡き伏見城の天守閣があったそうだ。

お墓の反対側に石段(右の写真)がある。約230段。
その石段で「逆さ上り」をする。
四つん這いになって、足から石段を登っていくエクササイズ。
どういうものかは、これを見てください。
腕だけではなく脚も使うが、今流行の「体幹トレーニング」そのものではないかと感じている。
自分たちの高校時代は、ごく一般的なトレーニングだったが、最近の若い子らはほとんどしないらしい。
若い頃は、石段の一番下から上まで登ったが、今では踊り場で仕切られた最後のステージ(23段ほど)を何セットか登っている。しかし、本当にこの石段の上から望む景色は本当に気持ちが良い。

そして、先のお墓の向かって右側に下り坂があり、その下りた所に明治皇后(昭憲皇太后)のお墓がある。
その坂が結構長く勾配がきついので、「地獄坂」と呼んでいた。

この坂をダッシュ。
と言っても、本当にダッシュになっているのかどうか疑わしいが(笑)

と、このように桃山御陵へたまに行き、これらのエクササイズをするのが、結構な息抜きにもなっています。


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シンスプリントの高校生

高校で野球をしているN君。

2週間ほど前からシンスプリント、つまり脛骨の周りの筋肉の炎症がひどくなり、それを庇っている内に腸脛靭帯等にも痛みが出て、歩き方もかなり乱れていた。

とりあえず、シンスプリントの症状を緩和する為に、両下腿部共に後脛骨筋スリットテープ・ひらめ筋テープ・前脛骨筋スリットテープを貼付。
また、足の横アーチがない、即ち開帳足だったのでアーチテープも貼った。

これで、下腿部はかなり楽になり、この後に腰椎・仙椎の神経圧迫に対してジェルフィッシュテープを貼ったり、股関節周りの弱っている筋肉に対してのテーピングも行った。

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脚の長さの調整。

ともすれば、人の脚の長さは様々な要因で変わります。

元々厳密には若干異なっているのでしょうが、ほとんどの場合は生活習慣等、例えば片脚に体重を掛けすぎる、決まった側で脚を組む、とかの理由で筋機能の低下を招いてしまいます。

そして、その筋肉の低下が骨盤周りの筋肉の長さに影響してしまい、結果的に股関節や仙腸関節にストレスを与え、長さが異なってしまいます。

この状態を放置すると、益々均等に体重が載らず、腰痛等を更に悪化させる恐れがあるので、できるだけ均等な長さにするのが賢明です。

下の写真をご覧下さい。
左(スマホは上)が調整前、右(スマホは下)が調整後です。
判りやすい柄のソックスを履いていらっしゃったので、違いが一目瞭然です。
調整前はかなり右脚が短い状態でした。
なお、必ずチェックする際は脚や腰を動かしてもらい、位置を修正してからやっております。

この方の場合は、仙腸関節のアジャストをしただけで、ほぼ長さが等しくなりましたが、私の場合は必ず股関節周りの筋肉をほぐしてから行います。
特に今のように寒い季節にいきなりアジャストすると、筋肉や関節を痛める恐れがあるからです。
現に当院に来られている方々で、他所のカイロプラクティックに行って、いきなりアジャストされ、逆に傷めてしまった方も結構おられます。
当院でもそれには万全の注意を払うよう、肝に銘じなければなりません。

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坐骨神経痛でお見えになった40代男性

昨年の1~2月に右腰から大腿部や下腿部に掛けて痛みや痺れが出た模様。
季節が暖かくなるにつれ症状は軽減していたが、12月ぐらいからまた再発。
痛みや痺れがひどくなってきて来院されました。

とにかく座っていても痛いし、前屈が困難という事。
偏頭痛や肩こりもあるので、いつも通りに全身の調整。

右腰椎2番から5番までと、仙椎1番に神経圧迫があり、その為に筋機能も低下していた。
まずジェルフィッシュテープで神経圧迫を軽減し、その後に皮膚感覚と筋機能を再チェックすると、どちらもほぼ正常に戻っていた。
痺れもかなり収まり、前屈もできるようになってきた。

その後に全身の筋肉リリース(加圧リリースと名付けた)を施術。
後脛骨筋や梨状筋にやはり問題が多い。
それと、重心が外よりなので、腸脛靭帯にもかなりの負担が掛かっていた。
以後、自分でテーピングしてもらって、重心の矯正をしていただく。





コンディショニングブログを始めました、まず開帳足

テーピングブログにいろいろ書いてましたが、このブログではこういう状態のままだと、どういう症状になり、そして当院ではどういう施術をする、という事を書いていきたいと思います。

まず、開帳足。
テーピングブログでも書いていますが、これは足の横のアーチが足りない、もしくはなくなっている事を言います。

何故、横のアーチがないといけないのか?
足は踵と母趾球、そして小趾球の、ちょうどⅤの形で「3点支持」が理想です。
また、全ての足の趾がしっかりと床・地面を掴んでいる事も非常に重要です。

ところが、横のアーチがなくなると、母趾球側で支える事ができず、足の外側だけのラインで支える事になります。
つまり、重心が外側になってしまいます。

この状態が続くとどうなるか?
人間は直立2速歩行をする事によって、一番重い頭を一番上に載せるようになりました。
この頭の重みを脊柱に沿って鉛直に、つまり真下に落とせれば楽なのですが、足の重心が外側の人は二等辺三角形で支えているので、足の外側やお尻の仙腸関節に余計な負担が掛かってしまいます。
「腸脛靭帯炎」や「仙腸関節炎」と呼ばれる症状です。
太腿の外側や膝の外側が痛い、腰が重だるい、等の症状です。

横のアーチが崩れると、間の3本の趾を伸ばせるスペースがなくなり浮いてしまい、しっかりと接地できません。
症状が強くなると3本の趾がずっと曲がった状態で、走ったりすると指の腹ではなく、第一関節(甲側)で着地している場合などがあり、骨折の可能性もあり、危険です。

野球の投手が肘や肩を傷めるのも、実はこの開帳足も関係している場合が多いのです。
足がしっかり踏ん張れないので、最後腕だけで投げようとして傷めてしまうのです。

下の写真は、ある高校の野球部員の足。
右もですが、左の方がより開帳足の度合いが高い。
そして、腸脛靭帯炎の度合いも、左の方が強かった。

しかし、これは簡単なテーピングで大幅に改善できます。
当院では、初めは私が説明しながら貼りますが、以後は各自で貼ってもらっています。
足の重心が劇的に良くなり、全ての趾がしっかりと接地できるようになります。

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